日本は中国のスパイ活動にどう対抗する? | 中谷良子の落書き帳

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$Khloeの~日本のタブー~

★対台湾の指令本部?軍事訓練部★

総参謀部軍事訓練部は、中央軍事委員会と総参謀長が直接命令して全軍軍事訓練工作を執行する機関である。

任務としては、「全軍訓練工作の指導」「訓練標準の設定」「訓練レベルの評価」「新訓練方法の研究」「訓練経費の管理」「全軍軍事院校の指導監督」が主たるものである。
これらの解放軍の上層から末端まで権限が及ぶ。

四総部(総参謀部・総政治部・総後勤部・総装備部)の参謀人員の訓練から各大軍区・各兵種・各部隊の訓練演習まで、技術的なものには総て関与する。

軍事訓練部が最も力を入れているのが、全軍士官に新作戦理論を研究させることである。
すでに実戦応用段階にある「高条件下の局部戦争」については、解放軍の軍事演習の改変が急がれている。

2008年、1月22日の解放軍報によれば、「解放軍総参謀部は08年度の軍事演習訓練指示の中に、使命課題として1、実弾・実装・実兵による強化対抗演習、2、防空・国境防衛・辺境防衛・海洋防衛のコントロール強化、3、突発事件処理・反テロ・非対称戦争に対する軍事行動訓練が強く語られている。

これらは台湾に対する軍事演習に関するものと考えられるが、台湾の国連加盟に関する国民投票に中共が反対しながら、なぜか、「台湾に対する軍事闘争準備」という言葉を使わなくなっていることに注意が必要である。

この報道の中で、「解放軍と武装警察隊の軍事演習訓練工作」も取り上げられている。
これは明らかに、各種突発情況に対応する協力態勢の確立を目指しているものである。
軍事訓練部下部各局の「08年度通常演習訓練」に関する報道の中で、具体的な項目が示されている。

1、通常年度訓練指導
2、各項目の業務指示の通知伝達
3、訓練情況の検査
4、現代化軍事訓練装備の鑑定
5、新作戦理論の訓練地点の確保展開
6、各大軍区間の業務提携促進
7、外国軍隊の演習訓練の研究
8、解放軍軍事訓練基地の管理
9、解放軍軍事院校に対する調整と改革の促進
10、各項目の体育競技の指導

以上10項目である。

★中国のスパイ活動にどう対抗する?★

毛沢東と恩周来の時代に「軍事スパイ」の基礎が確立された。
現在では、革命第3世代の熊光楷がこの部門の最高責任者である。

軍事情報系統に属しているのは、総参謀部第2部と第3部、そして総政治部連絡部である。
特に総参謀部第2部は「総参情報部」と呼ばれている。
軍事情報の収集分析に関しては、トップで第2部の軍事情報収集の基礎は、

1、外国に対しては身分・地位・資格などを偽ること。
2、外国で公開されている軍事情報を分析すること。
3、中共大使館が置かれている所には駐在武官を派遣すること。

であると謳われている。

総参謀部第3部は主要任務として通信傍受をしているが、カナダ在住の中国人留学生によれば、大陸では13万人の担当者が国際電話を総てモニターしているそうである。

各国にある中国大使館に駐在する武官は、総て総参謀部第2部から派遣される。
外交部や国防部から派遣されるものではない。

これら武官は、相手国の格によって分けられ、アメリカは最高ランクなので正軍級の少将が駐在武官となる。
次のランクには正級軍官と副級軍官が当てられる。
多くの国には、正師級の大佐クラスが当てられる。

熊光楷はかつて、総参謀部第2部の副部長を務めていた。
第2部の中には、広州局・北京局・天津局・上海局・藩陽局の5つの局があり、各地政府の名誉事務室として存在する。

例えば、広州市人民政府○○号事務室などと呼ばれたり、北京市人民政府対外友好事務室などと呼ばれているが、実態は総参謀部第2部から派遣された情報収集担当官がいるだけである。

2007年12月にアメリカに亡命した解放軍少佐の話によると、7大軍区(広州・蘭州・南京・成都・済南・北京・藩陽)にも総て情報部があるが、ランクは師級と低いものであるという。
しかし、総参謀部第2部は正軍級というトップクラスであり、それらは対外的に研究機構として「国際戦略研究学会」と称している。

日本でも関係している人が多いが、この学会に所属する学者や専門家は総て総参謀部第2部の軍官なのである。

台湾海峡の問題で、軍事緊張に関して文章を発表したり講演したりする若手学者の辛旗という人物は、総参謀部第2部のエリートである。
第2部の情報レベルは、国家安全部よりはるかに高い。

総参謀部の情報部門は、中国共産党紅軍時代からの伝統的なものであり、現在の各国にある中国大使館に駐在する情報担当者についても、中国のCIAと称されるほどの実績を持っている。
中国のスパイ能力は相当レベルに達していると言っていい。

日本は、こうした中国にどう対抗するつもりなのだろう?

【安全保障】中国の空母と戦闘機、日本版GPSの価値[桜H23/1/5](動画)