野生ニホンザルの保護管理技術マニュアルについてのパブリックコメントが行われています。
すでに今年の3月にはイノシシ編、ニホンジカ編、クマ類編が改訂され、最後に残ったニホンザルとカモシカに関しての改訂です。
ニホンザルについては2007年に原案が出されており、その中で捕獲サルを動物実験に提供することを積極的に認めようとする方針が記されていました。
これに対して、ALIVEではサルの実験提供は鳥獣保護法に反していると主張し、その結果、今回の案では記述が書き直されました。
また捕獲個体の殺処分方法として、従来、一部地域で餓死、溺死、撲殺といった残酷な方法が行われてきたため、ALIVEでは野生動物であっても苦痛のない致死処分とするように求め、そのような記述が入りました。
但し、鳥獣保護法には、捕獲個体の「安楽死処分」に関する法令上の規定はなく、これについては法改正を必要としています。
野上
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(その他)
個体数調整にあたって捕獲された個体は,生け捕りされた個体も含め,捕獲個体は保護管理のためのモニタリングや調査研究に供することが有用である。
一方,過去に不適切な個体の売買や医学実験等への供与が行われたこともあり,捕獲個体の他目的への利用に対する社会的な批判は強い。
ニホンザルを学術研究目的で捕獲することは,どうしても野生ザルを利用しなければ研究の目的を達成できないと判断される場合を
除き認められないこと等に鑑み,捕獲許可を出す際には,捕獲後の処置を明らかにさせる必要がある。
捕獲された個体を殺処分する場合は,安楽死させるものとする。
安楽死の手法について合意形成が必要な場合は,県の獣医関係部局や獣医師会などと連携し,現場で実施可能な方法を検討する。
捕獲個体,特に人馴れした個体の放獣は,自然群の行動を変え,人里への移動を加速する可能性がある。
また感染症の伝搬や遺伝的汚染につながる怖れもある。
したがって特別の目的や理由がある場合を除き,原則として捕獲個体の放獣は行わない。
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平成21年11月20日
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=11810
平成12年度に作成した特定鳥獣保護管理計画技術マニュアル(ニホンザル編)及び(カモシカ編)をその後の状況の変化等を踏まえ、改訂案(別添資料)をとりまとめました。
この改訂案について広く国民の皆様から平成21年11月20日(金)から平成21年12月21日(月)までの間、意見募集を行います。
1.背景
特定鳥獣保護管理計画(特定計画)制度は、地域的に著しく増加または減少している野生鳥獣の個体群の科学的・計画的な保護管理の実施により人と鳥獣との共生を図る目的で、平成11年に創設され、平成21年11月15日現在、46都道府県で6種について107計画が作成されています。
この特定鳥獣保護管理計画を都道府県が作成する際の技術的な参考となる資料が特定鳥獣保護管理計画技術マニュアルです。
2.意見募集対象(改訂案)
(1)特定鳥獣保護管理計画技術マニュアル(ニホンザル編)
(2)特定鳥獣保護管理計画技術マニュアル(カモシカ編)
3.意見の提出方法
御意見のある方は、別添「意見募集要項」に沿って郵送、FAX又は電子メールにて御提出願います。
意見募集要項に沿っていない場合、無効となることがありますので御注意願います。
【参考】
○特定鳥獣保護管理計画制度について
鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律において、都道府県知事が特定の鳥獣について、個体数管理、生息環境管理、被害防除対策等の手段を多様な事業主体の協力を得て総合的に講じることにより、科学的計画的な保護管理を実施するための計画を策定できる制度です。
・ 添付資料一覧
(1)特定鳥獣保護管理計画技術マニュアル(ニホンザル編)(案)
(2)特定鳥獣保護管理計画技術マニュアル(カモシカ編)(案)
(3)意見募集要項
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※お問い合わせは、以下のアドレスへお寄せください。
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地球生物会議(ALIVE) 事務局
TEL:03-5978-6272 FAX:03-5978-6273
e-mail:alive-office@alive-net.net
http://www.alive-net.net/
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