■ 余裕度とは何か?

 

前回は安全率についてお伝えしました。

今回は「余裕度」につきまして、私の意見を述べます。



構造計算を行いました。
規定されている必要な耐力とか
応力度についてはクリアしている。


けれど、必要最小限の数値では
不安要素も有るので、
幾分が積み増しした安全性を確保したい。


上のような状況で考えておくのが
余裕度」と呼ばれる数値です。


例えば、
大地震での建物の倒壊を防ぐ目的で
保有水平耐力計算という計算を行います。


保有水平耐力計算の作業の中で
「必要保有水平耐力:Qun」という数値を
算出します。


この値は建っている地域/建物の形状
重量から導き出されます。


一方で、建物の保有水平耐力:Quは
自分で計算して求めた部材の断面と
部材の材料強度から部材の耐力を算出し
求めていきます。


建築基準法ではQu/Qun≧1.0であればよい
と定められています。



Qu/Qun=1.0でもクリアいたします。
しかし、地震は人間の予想通りにはやって来ません。

必ずといっていいほど
予想を超えた現象になるのがほとんどです。


予想を超えた地震力が来たとしたら
Qu/Qun=1.0では、ひょっとしたら、、、
倒壊するのかもしれませんね。


そこで、 Qu/Qun(:「保有水平耐力比」と読んだりします。)

をどのくらいの余裕をみておきましょうか。

という際に「余裕度」という単語を使ったりします。


安全率が材料などに掛かる数字ならば
余裕度は計算された建物側、すなわち
計算する側にたってリスク回避をする考え方です。

 

それでは、また。

 

 

P.S
構造計算を覚えて年収を上げたいと思っているあなたへ・・
『30代からの年収を上げる構造計算』というメルマガ配信中です。
実務歴20年の視点から捉えた、構造計算初心者向けに役立つ内容です。
興味のある方は、こちらのURLよりご登録下さい。

https://submitmail.jp/FrontReaders/add/4026