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RYO365のごらくごろく

ごく一般庶民の平凡な道楽家が見たり面白かったりした物事について感想を書き込むブログです。

非常に素晴らしい作品でしたの一言です。
映画やアニメの映像表現では体験できない、ゲームだからこそ表現できた作品だと思います。

今までにもflOwやFloweryなどを制作してきたthatgamecompanyの最新作です。
このゲーム会社さんのゲームの特徴として、ゲーム操作の単純化とそれに伴った説明の省略が
共通しているところで、今作においても同様に左スティックでの移動と×ボタンでのジャンプ
○ボタンでのアクションのみになっており、誰でもすぐにどのようにすればいいか理解できるようになっています。

複雑な操作が必要とされるゲームも面白いですが、間口が広く誰でも楽しめるゲームが少なくなっているだけに、それだけでこの作品が貴重なものだと言えますが、単純な操作で面白く感じさせるには操作以外の点で工夫があるからそう感じることが出来るのだと思います。

その一つは、洗練されたグラフィックで風景の美しさを堪能できるところがあります。
砂漠や遺跡、雪山など様々なシーンがあり、そこにある建物や立体物一つ一つが丁寧に作られ、また砂など主人公が移動した場所に跡が出来たり、服が風によって揺れるなど細かな見た目の変化を付けることであたかも自分がその場所にいるような気分にさせられます。

操作面では、風の旅ビトのタイトルにあるように、風を切って空を飛ぶ快感があるでしょう。
最初は地面をただゆっくりと歩くことでしか移動できませんが、アイテムを取ることでジャンプできるようになり、取り続けることでより飛べるようになります。地面を歩くことからジャンプすることでより遠くへ、より早く、より高く移動できることが気持ち良さに繋がっていると思います。
この移動のゆっくり、速いの使い分けが砂漠や雪山の状況を表す演出になっているのは、ゲームという操作が出来るからこそ味わえる感覚でしょう。

音楽面も素晴らしく、荒廃した世界観を表現されており、その時々の場面に非常にマッチしていましたし、音楽が流れるタイミングもよく考えられていると思いました。

基本的に登場人物は一人で、あとは風景しかありませんが、時折もう一人同じ姿をした人物が現れることがあり、最初はCPUかと思ったのですが、同じキャプチャーを遊んでいるオンラインのプレイヤーがいる際に自動的にマッチングする仕様になっているようです。
コミュニケーションが移動とオーラを発して、音を出すしかないのですが、それだけでも一人より誰かと行動を共にすることが楽しいと思えるのが不思議です。エンディングに名前だけ表示されますが、海外の人であろう人の名前を見たときはどこの国の人なのかなーとか想像して楽しくなります。

ストーリーもムービー場面で少しは語られていますが、セリフが一切無い為、個人の解釈に委ねられていますが、私は西遊記みたいな話なのかなと感じました。
一人の旅人がある土地を目指して長い旅をする設定は、三蔵法師が天竺を目指して旅をした話と似ていると思いますし、製作者も中国の方のようなのでもしかすると影響を受けているのかもしれませんね。

個人的に一番良くできているなと思った点はエンディングの最後の場面とオープニングの最初の場面が一致している所で、それが無理やりではなく、納得できる形で表現されている点で終わった後にさらに新しい旅が出来るようになっている点も、製作者の演出の細かさが理解でき、非常に素晴らしいと感じました。

ビジュアル、音楽、操作とゲームが表現できることを細かに演出し、それらを見事に融合し、素晴らしい世界観を体験させてくれたこのゲームは近年稀にみる傑作であり、今後も語られる名作に成り得たのではないかと個人的には思います。
ダウンロード専用ソフトで価格も安いため、プレイ時間は短めになっていますが、文章では伝わりきらない感動をまだプレイされていない方は遊んでみて体験して欲しいと思います。