ヒッチコックの代表作を観賞してみました。
見ていく途中で最初はほんの小さな出来事が後々大きな事になっていく過程は
恐怖心を増大させるようになっているのがうまいと思います。
動物が人を襲う映画は数多く作られていますが、その中でも有名な作品にジョーズがありますが
それよりも前に作られている映画であることを考えると、動物パニック映画の原点となる作品では
ないかと考えることも出来るのではないでしょうか。
襲ってくる動物が鳥というのがアイデアとしては秀逸で、鮫とかピラニアとかクマとかそういった動物は
海なり川なり山に行かなければまあ襲われることはないわけで、ある程度安全を確保できるでしょうが、
鳥は私達が住んでいる場所にどこにでもいるわけで、イコール誰でも映画のようなことが起こりうる可能性がある点が観賞者に対してより身近に恐怖を与えることに作用していると思います。
ですが、鳥に襲われて殺されることは日常生活においてまずないわけで、冷静に考えればやはり物語としての
嘘があるのだけれど、見ている間は本当に鳥が恐ろしい存在と感じてしまうのは、映画内での見せ方が巧みで
あるだと思います。
その要点として、鳥が人に怪我をさせる能力があることを見せること、そして数が多くなれば人を殺すことが出来ることがあると思います。
前者に関しては、最初に鳥が人間を襲う場面で怪我をして血が出るシーンで、鳥の能力を見せ、後に鳥が集まってくるシーンにおいて恐怖を増大させることに効果的に作用しています。
後者は、朝起きて見ると家族の死体を見つけるシーンで、鳥が襲ってきて殺してしまったことを間接的に表現しており、このシーン後はさらに鳥が恐ろしい存在と感じるようになってきます。
このように、怪我が死に、一匹が数千、数万、さらに小さなボートが襲われることから家、学校、街が襲われるといった小規模から大規模に展開することにより見る者の恐怖心を大きくすることに成功していると思います。
これに加えて、鳥の存在が恐ろしいという印象を与えた上で、鳴き声や羽ばたきの音を使うことで恐ろしさを表現している点も素晴らしいです。
家の中に閉じこもり鳥の侵入に恐れるシーンでは、この音があるからこそ鳥を見せずに恐ろしさを感じさせることが出来ていると感じます。
小さなシーンひとつひとつを大切にし、見せ方を工夫することで恐怖心を起こさせることにおいて
やはりヒッチコック監督は長けた才能を素晴らしい監督だなと改めて思いました。