RYO365のごらくごろく -12ページ目

RYO365のごらくごろく

ごく一般庶民の平凡な道楽家が見たり面白かったりした物事について感想を書き込むブログです。

いままで見たアニメの作品で人生についてこれだけ表現した作品はなかったし、

見てない作品の中でも少ないのではないかと思います。


原作はギャルゲーと呼ばれるジャンルに当てはまるパソコンのゲームですが、

内容は中身の充実した人間ドラマであり、実際に役者が演技をしても違和感ない内容があるストーリーだと思います。


それは、この作品が登場人物を通して学園生活、恋愛、就職、結婚、出産など人生の岐路や大切な部分を語っていることが大きいでしょう。

これだけ長い期間をギャルゲーで語る事自体ほとんどないものですし、ひとつひとつのエピソードも丁寧に作られており、ゲームの枠にとらわれないほどのストーリーのクオリティーはあるものと思います。


アニメ版においては、原作の良さを活かし、主要な部分に関しては忠実に表現し、原作にある細かなセリフ、エピソードに関しては優先順位を考慮しながらうまく減らすことが出来ています。また、減らしたことによる物語の破綻はなく、原作をプレイしていなくても十分に内容を理解できるようになっていることも良いと思います。


絵作りに関しても丁寧で、極端に優れているわけではないものの、作画が乱れることもなく、一定のクオリティーを保ちながら作られています。

音楽面は原作のBGMを使用し、原作の場面で流れるBGMをアニメでも同様の場面に流すなど、原作のファンに対する配慮もされておりこちらも非常に丁寧に作られています。


絵、音楽の質の高さも素晴らしいですが、やはりストーリーの良さがこの作品の一番の魅力であると思います。


作品の前半部分はそれぞれのキャラクターのエピソードが語られ、後半部分は主人公とヒロインを中心としたエピソードになります。

前半部分も良い内容ですが、後半部分からはさらに濃厚な話となります。


印象的なシーンは多いですが、主人公が出産と同時に亡くなった嫁の娘と5年ぶりに再開し、二人きりで旅行した先で主人公の父親の母に出会う場面が一番泣いてしまった場面です。


主人公の父親は家ではほとんどなにもせず、だらだらとお酒を飲んですごし、また口論の末主人公に怪我を負わせ将来有望であったバスケットの選手生命を断ってしまったこともあり、主人公は父親を嫌いになり遠ざけるようになっていたのですが、父親の母から父親の愛する妻が交通事故で主人公が幼い時になくなったこと、幼い主人公を連れて目の前に現れ、この子だけは守ると誓い、職を転々とし苦労しながら主人公を育てたことを聞かされ、主人公は父親の本当の姿を知ることになり、同時に愛する妻を亡くした感情を共有することになります。そして主人公は父親と同様に娘を守ることを誓い、帰路につきます。


これは作品の中の一部のエピソードですが、他にも病弱な娘を守ろうとする両親、いろんな苦労を共にする親友や友達、兄を心配する妹、生徒に気をかける先生や寮母さんなど様々な人のエピソードが語られます。

その中に共通することは人を愛する思いがあるということです。

形は違えどすべて人を思うことが軸にあるように思います。

それがこの作品の良さであり、感動を呼ぶ要素であるように感じます。


最後の場面でヒロインが街について話しますが、これはこの作品の大きなテーマであるように考えます。

街に住む人々、つまり作品上における登場人物のエピソードを扱うことで一つの街を表現したかったのではないでしょうか。

そのために、人生の岐路を表現することや、多くの人々の話を扱う必要があったのかもしれません。

街を表現するのはとても壮大であり、この作品で表現しきれるものではないと思いますが、それに挑戦しようとしたこと自体が斬新な発想だと思います。

さらに言えば街は人が生活する場所であり、街は人生の舞台であるとも言えるでしょう。

私達が住む場所でも、知られることのない多くに人生の物語があるのかもしれません。


人生は楽しいこと、悲しいことなど様々にあり、ひとりひとりすべてに違う物語があると思います。

ですが、その物語はひとりでは起きることはなく、街に住む人々と過ごすことで起きる物語です。

その中で見られるのは、いいことばかりではない嫌な事もあるだろうけれど、人が人を思う事で起きる優しい気持ちも多いと思うのです。

そんな気持ちをこの作品からも見ることが出来ると私は思いました。