実務家登用試験と逆鱗と消失につき謄抄本の交付ができないことの告知書について☆ | 司法書士講師・三枝りょうのブログ

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司法書士試験の受験情報を中心に、日々考えたことを書き連ねていきます。

皆さんこんにちは,司法書士講師の三枝りょうです。

 

たとえば。
AB夫妻の間にCDという二人の子がいます。
まったくもって珍しくない家族構成です。

仮にAを80歳代のおとっつぁんとして,不動産(土地建物)を所有しているAが亡くなりました。遺言書はありません。
弔いその他諸手続が済んで,『そういえば-』 的に不動産登記(いわゆる相続登記)の依頼を受けることはまあまああります。とりわけ相続税の申告が不要なケースはタイムリミットがないので 『そういえば』 までの放置期間が長くなる傾向にあります。

『とりあえず戸籍集めから一式やっとくれ。』 と言われることもよくあります。
近年の司法書士試験において,相続を原因とする所有権移転登記の添付情報である登記原因証明情報の内容として,単に 『戸籍一式』 ではなく,『誰のものが(どこまで)必要か』 まで問われるのは,実務家登用試験として不自然ではありません。

本件の場合,まずAの死亡時から出生に至るまでの戸籍一式を職務上請求書を使って取得します。
現時点で判明してる推定相続人は,妻Bと子CDですけれども,本当にAには他に隠し子がいないのかと。
Bの逆鱗に触れるような質問するのもあれですから,おとっつぁんが生まれた時までの古い戸籍をひもといて確認するということです。

 



この作業がですね,上記のようにいきなり頓挫することがあります。
『焼失につき謄抄本の交付ができないことの告知書』 です。タイトル長いなと。
東京大空襲って何ですか。

じゃあどうするか。
従前までは,上記書類に加え,「他に相続人はない」旨の相続人全員による証明書(印鑑証明書添付)の提供をしなきゃダメっしょ,という扱いでした。
簡単に申し上げると,遺産分割協議書の末尾に,『なお,被相続人何某には,上記のほかに相続人がないことも併せて証明する。』 なる文章を添える形です。

が,しかし。もうそれ止しましょうよと。ということで。
戸籍及び残存する除籍等の謄本に加え,除籍等の滅失等により「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書が提供されていれば,もうそれでおしまいにして相続登記を申請しちゃってオッケーという扱いとなっております。
平28.3.11民二219号通達です。これでだいぶ楽になりました。

確認的に申し上げておきますが,実務家登用試験とはいえ,いつどこで空爆があったかまで把握しておく必要はないです。
上記先例のみ押さえておいてください。
東京市城東区ってどこですか。


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