ひさしぶりの観劇!藤田三保子主演「しずかな男とじゃじゃ馬娘」 | 「風の挽歌」

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葛原りょう×高坂明良ブログ

11日は、小生も数年前に毎年ムジカマジカとして出演していた懐かしい築地ブティストホールで、

女優・俳人・画家の藤田三保子さん主演の舞台「静かな男とじゃじゃ馬娘」を観劇しました。

三保子さんの娘さんである外園ゆうさんも、ヒロインとして、

表情豊かな、恋し、庶民的な、人間味溢れる好演の連続で、これだけ出ずっぱりの演技をこなせるのだから、

さすがは女優の子は女優だなと、

じゃじゃ馬馴らしの如く、ドタバタのじゃじゃ馬娘を見事に演じておられて、なんだから幸せな気持ちに包まれました。


そして、藤田三保子さんの存在感は圧倒的で、

夫役のなぎプロ主宰の草薙良一さんが仲睦まじく藤田さんの肩をもんだり、寄り添っている姿は、

後期印象派の名画を観ているような美しすぎるシーンだった。

じゃじゃ馬娘とは対照的に、しかし、かつてはじゃじゃ馬娘であったかのような時折かいま見せるおどけな表情も、

スパイスとして、調和的で永遠性を暗示している不思議な時間(空間、部屋)に生きている婦人の役を見事に演じておられた。

抑えることの難しい役どころでもあるし、

全シーン、シンプルな道具立なので、観客の想像力の...膨らみを邪魔しないような構図は、

けっこう、こりゃ、玄人好みじゃな、と思った。

コメディというより、土地に対する愛着、村人たちの思い思いの行動がコメディという枠を超えている感じで、

コントもずいぶんマニアックな突き方をしていたので、腹を抱えて笑うという三谷幸喜的ではなく、

小津安二郎の映画に近い、さまざまなオマージュに満ちているような観劇であった。藤

田さんの歌も、ぜったいこれからも劇中劇のように採用し続けていってほしいと思った。

 

いやぁ、小生かつては埼玉時代で劇団のオーディション受けて合格し、

ほんとうは刺激を受けていた松田優作のように映画出演を志向したが、

なぜか、演劇の方に縁があったことなど、来し方を思い起こされた。

いまは、小生骨の髄までソロなので、共同作業はできぬのだが、演劇またやりたくなってしまったよ。

 

つぎの藤田三保子さんは12月11日(火曜)19時半から、原宿でディナーショーを開催される。

お酒とおいしいお食事頂きながらの、おそらく、シャンソンがたっぷりと身近に聴けることだろう。

歌がお好きな方には、ぜひ、この贅沢なひとときを楽しまれるが良い。

 

また、来年もぜひ築地ブティストホールで三保子さんの、ゆうさんの舞台を観てみたい!

いまから勝手に楽しみにしている。。。帰りは、築地を惜しんで酒と寿司をつまんだ。

 

葛原りょう拝