鈴海老ぷーのリレー小説! -7ページ目

鈴海老ぷーのリレー小説!

鈴と海老天饂飩とぷーさんがお送りするリレー小説。個性ある三つの文体が織り成すほぼアドリブ小説の行く末やいかに……!

「くっそ。」
ハードカバー小説をベッドの横の窓枠に置き、今度こそ眠りにつく。


…あれ、ここ。
秀太の目の前に現れたのは、図書館で見た夢と同じ場所だった。
「また、あの夢か」
思わず呟いた。しかし秀太の胸には何の感情も湧いてこなかった。
『あれ、きみ。』
頭の中に直接響くような声が聞こえた。不快感の無い、鈴の鳴るような声。
振り返ると、そこにいたのは。
…先程の夢の中にいた、髪の長い少女だった。
『久しぶりだね、また来てくれたんだ』
柔らかい笑みを浮かべ、どこか嬉しそうに話す少女に、秀太は思わず見惚れてしまった。
『…どうしたの?』
不思議そうな表情を浮かべ、少女は秀太に近づき、顔を覗き込んだ。
「いや、なんでも」
澄んだ瞳に見つめられ、思わず目を逸らした。
…なんなんだ自分、まるで変な奴じゃないか。
そう心の中で呟いたところで、夢の中の相手に何を気にしているんだと自嘲気味に笑った。
そんな秀太を、少女は尚も不思議そうに見つめた。
『そんなことよりさ、せっかくまた来てくれたんだし、わたしの家へおいでよ。ちょうどこの間良いお茶をもらったの』
そう言って少女は秀太の手を取った。
…温かく、柔らかい手だった。


「いてっ。」
額に痛みを感じ、目を覚ました。
どうやらハードカバー小説が落ちてきたらしい。
「またかよ…」
ぶっきらぼうに呟き、今度はちゃんと本棚に戻した。
何気無く右手に目をやる。
夢の中で少女に握られた手には、何故かあの温もりが感じられた。