鈴海老ぷーのリレー小説! -11ページ目

鈴海老ぷーのリレー小説!

鈴と海老天饂飩とぷーさんがお送りするリレー小説。個性ある三つの文体が織り成すほぼアドリブ小説の行く末やいかに……!

「ふあ……」

エレベーターの振動と重力を感じながら、壁にもたれかかって小さく欠伸をした。モーターの音が微かに耳に届く。


誰もいないエレベーターと学校の図書室、町の外れにある丘に、それと最近はめっきり行かなくなったが授業中の屋上。


秀太が心静かに過ごせる場所といえばこう言ったところだ。

別段、賑やかな場所が嫌いな訳ではない。だけどやはり静かな場所の方が……読書に集中できるから好きだ。図書委員になったのも、本が好きだから、という単純な理由から。

いや、それだと語弊があるかもしれない。他にも理由があるのだろうが……秀太自身が誰にも語ったことが無いため、それを知る者はいない。


何だっけ、明日の科目……。


明日もテスト。明後日もテスト。成績はさほど気にしてないが……学生という哀しい身分である以上、このカタカナ三文字だけはどうしても好きになれない。

校則に違反しない程度に伸ばした髪をぼさぼさと弄る傍ら、もう片方の手がポケットから取り出したのは青いガラパゴス携帯。

いわゆるガラケーという代物だ。

時代の流行にやすやすと乗らないというポリシーを見事に体現した、至高の一品だ。


田上昌紀。


至高の一品を開くや、今となっては見飽きた名前が画面に表示される。

ちょうど良かった……と言わんばかりに秀太は顔を緩め、同時にエレベーターが停止した。