鈴海老ぷーのリレー小説! -10ページ目

鈴海老ぷーのリレー小説!

鈴と海老天饂飩とぷーさんがお送りするリレー小説。個性ある三つの文体が織り成すほぼアドリブ小説の行く末やいかに……!

タガミマサキ。この学校では知る人ぞ知る変人だ。
合唱部所属、美化・緑化委員。図書の本の貸出冊数は学年上位。借りる本は主に植物の図鑑や詩集。
名前と性別と見た目を知らなければ、きっと可憐な美少女を想像する人は多いだろう。残念ながら彼はれっきとした男だ。
なぜそんな男と仲が良いのか。それは田上がよく図書室に来るからという理由以外に、秀太が俗に「キモヲタ」と呼ばれる人種だからであろう。
しかし秀太には自分がキモヲタだという認識はゼロだ。アニメや漫画の二次元と呼ばれる類にはまったくといっていいほど興味はない。秀太が興味のある二次元といえば、それは活字だけだ。

「もしもし。俺だ」
『やあ、谷くん。僕だよ、昌紀だよ』
「気持ちの悪い猫なで声で話すな。その呼び方も一人称も気持ち悪い」
『ごめんって、谷。』
「で、用件はなんだ」
『いやあ、そそっかしい谷のことだから明日のテストの科目がなんなのかわかってないんじゃないかと思って』
いかにも恩着せがましく、わざとらしい言い方で話す。
「わかってるに決まってるだろう。それに、本当はそんな用件じゃないことくらい、お見通しなんだよ」
『だよな、ごめん。いや、あのさ…』
突然声のトーンが落ちた。本題に入ったらしい。どうやら深刻な話のようだ。
無意識に、身構える。
『感覚のない風って、どう思う?』
「…は?」
思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。自分が聞こうとしてたことと同じだったからだ。
どういうことだろう。田上の次の言葉を待つしかなかった。