セットプレー(守備)について | 湘南ベルマーレとともに駆けぬける歓び

湘南ベルマーレとともに駆けぬける歓び

1999年からベルマーレサポーターの自覚症状をもちました。
2000年~2005年は主に7Gで年間10試合位観戦。
2006年~2010年は主に1Gで年間15試合位観戦。
2011年からはゴール裏に出没開始。

この数試合、セットプレーからの失点、セットプレーでPKを与える、というケースが続いている。

下記の4例をもとに少し簡単に整理したい。

 

(1)第8節 広島戦(H) 後半6分(得点者:パトリック)

①失点概要

左からのCKを柴崎が右足で供給。ゴールの中央にいたパトリックが頭でゲット。

 

②マーカー(赤字はゴールに関連)

杉岡(182cm) ⇔ パトリック(189cm) 

坂(174cm)   ⇔ 佐々木(176cm)
岡本(175cm) ⇔ 野上(182cm)
山根(178cm) ⇔ 水本(183cm)
高山(174cm) ⇔ 工藤(177cm)
 
③詳細・考察
個人能力のあるパトリックに杉岡をぶつけたが、完敗。パトリックは高さ以上に体幹の強さがあり、密集での競り合いに滅法強く、杉岡には荷が重い相手だった
セットプレー以外では坂が対応できており、坂をマーカーにしていれば、という思いが残る。
また、この試合では3ヶ所ミスマッチが発生しているが最も危険だったのが杉岡⇔パトリックであることから、ストーン役のジョンヒョプも加勢して、杉岡と二人でパトリックを挟み込むような守り方が出来ればよかったのだが。

 

(2)第9節 横浜FM戦(A) 後半12分(得点者:ミロシュ・デゲネク)

①失点概要

右からのCKを天野が左足で供給。ニアサイドで松原がフリックしてコースを変え、ファーサイドのデゲネクがプッシュしてゲット。

 

②マーカー

杉岡(182cm) ⇔ 扇原(184cm) 

バイア(182cm)⇔ 中澤(187cm)
岡本(175cm) ⇔ ヴィエイラ(178cm)
山根(178cm) ⇔ デゲネク(187cm)
菊地(180cm) ⇔ 松原(180cm)
大野(180cm) ⇔ 大津(180cm)
 
③詳細・考察
山根⇔デゲネクのミスマッチを突いた横浜FM側からすると「してやったり」の得点。
とはいえ、菊地が松原に振り切られたり、山根が一瞬デゲネクを見失ったり、と反省点も多い。

 

(3)第13節 仙台戦(H) 前半36分(得点者:西村拓真)

①失点概要

右サイドハーフウェーライン近くから野津田の左足FK。ファーサイド側にいた蜂須賀を菊地が倒してPK。

PKは西村拓真が落ち着いてGET。

 

②マーカー

杉岡(182cm) ⇔ 大岩(183cm) 

バイア(182cm)⇔ 金(183cm)
山根(178cm) ⇔ 西村(178cm)
菊地(180cm) ⇔ 蜂須賀(180cm)
大野(180cm) ⇔ 石原(173cm)
 
③詳細・考察
仙台戦では、他の試合と違い、特にミスマッチもなく、野津田のボールも変哲のないボールと言え、蜂須賀に振り切られた菊地の対応は痛恨。

 

(4)第14節 清水戦(A) 前半23分(得点者:北川航也)

①失点概要

左CKを石毛が右足で供給。ニアサイドに飛び込んできたフレイレを菊地が倒してPK。

②マーカー

杉岡(182cm) ⇔ ファンソッコ(183cm) 

坂(174cm)   ⇔ クリスラン(187cm)
岡本(175cm) ⇔ 松原(182cm)
山根(178cm) ⇔ 飯田(179cm)
菊地(180cm) ⇔ フレイレ(187cm)
高橋(171cm) ⇔ 北川(180cm)
 
③詳細・考察
身長差の大きな試合でこの試合では4ヶ所のミスマッチが発生。そのうちの1つを利用されてしまった。仙台戦の映像を観て、清水は狙いの1つに定めていたかもしれない。ニアサイドの駆け引きの中でフレイレが菊地を振り切ってゴール前に侵入したところ菊地が倒してPK。
 
◆全体考察、今後の指針◆
チョウ監督就任の2012年以後、セットプレーの守備は、長身FWをストーン役に配置し、その他の選手はマンマークという形で対応している。
 
今季もほぼ同様で、主にジョンヒョプがストーン役、秋野や石川がニアサイドの低いボールをケアする役、松田がショートコーナー対応、その他はマンマークみたいな感じだ。
 
上記4例中、3例でミスマッチが発生しているように、マンマークでは湘南に不利となるミスマッチが発生する事は多い。
これは選手編成において、高さや強さでなく、スピードやクイックネスのある選手を優先して揃えるがゆえに、平均身長が低くなる傾向があり、湘南ベルマーレとしては向き合っていかねばならない課題である。
 
ミスマッチが多発するのは今シーズンに限った話ではなく、セットプレーでの失点が少なかった2014年でも菊池大介や岩尾憲は5cm以上背の高い相手をマークする事が常態化していた。
(記憶に残る例では、菊池大介が松本の飯田をマークしたり、三竿雄斗が当時大宮にいたムルジャをマークしたり、というケースもあった)
 
 今季、セットプレーでの失点が多いのは対戦相手のキッカーの質の高さ、分析能力の高さ、を含めたセットプレーので総合力の高さに追いつけていない、とみる。随所にJ1のレベルの高さを感じるが、セットプレーの強さはJ2と比べると大きいと感じる。

中期的には、セットプレーでのマークの受け渡しの柔軟性を高める事をお願いしたい。

中断期間を利用して、セットプレーでのゾーンディフェンスに取り組んでほしい。
今季のメンバーは空中戦の強さにバラつきが少なく、取り組みやすいはずだし、将来のVAR時代を見据えても取り組んで損はないはずだ。
 
とはいえ、まずは磐田戦。
苦手の川又はもちろん、高橋祥平などは虎視眈々とPK奪取を狙ってくるはず。
充分に対策を行いたい。