<パドレス・ジャイアンツ>4番手で登板し、メジャー初勝利を挙げた松井(AP)

 

 ◇ナ・リーグ パドレス6―4ジャイアンツ(2024年3月28日 サンディエゴ)

 

  パドレス・松井裕樹投手(28)が28日(日本時間29日)、本拠地開幕となったジャイアンツ戦でメジャー初勝利を挙げた。同点の7回1死一、三塁から救援し、犠飛で一時勝ち越しも許したが、味方が逆転して白星が転がり込んだ。これで開幕戦から3試合連続登板となり、自身は無失点を継続した。

 

  試合後の松井を待っていたのは歓喜の「ケチャップ・シャワー」だった。メジャー初勝利に沸くクラブハウス。ビールや水に加えてケチャップまでかけられる手荒い祝福に「目を開けていられなかった」。シャワーを浴びても「ケチャップ残ってるわ、まだ!」と耳の穴を触ったが、表情は満面の笑みだった。

 

  20日の韓国での開幕戦から3試合連続登板。同点の7回1死一、三塁で打席に新加入の李政厚(イ・ジョンフ)を迎えた。暴投で二、三塁となった後、92マイル(約148キロ)直球で浅い飛球に打ち取るも中犠飛。勝ち越しを許した。しかしその裏に味方が4点を奪い逆転。回をまたいだ8回は2番からの上位打線を3者凡退に斬った。 

 

 「タフな場面だったけどチームが勝ったのが一番。リリーフの勝利は“頂き物”なので」とはにかんだ。楽天では通算236セーブ。守護神のため回またぎは少なく、昨季も1度だけだった。8回は味方の攻撃が長く「(ベンチ裏で)行ったり来たりして…。何をしていいか分からなかった」。それでも「逆転してアドレナリンが凄い湧いてきた」と4万4951人の地元ファンに勝利を届けた。

 

  「ユウキの仕事は今日もファンタスティックだった」とマイク・シルト監督。9回にベンチで「勝ち投手、松井君じゃない?」と本人に聞くと「そうです!」と返事が返ってきたというダルビッシュは、強心臓ぶりに「メンタルが凄いからこっちに来ている」と称えた。1メートル74の小さな左腕。その存在はもうチームに欠かせない。(笹田 幸嗣)

 

  ≪中継ぎ3戦目日本投手最速≫日本投手が大リーグで白星を手にするのは松井で43人目となった。1人目は「マッシー」こと村上雅則(ジャイアンツ)で64年9月29日のコルト45's(現アストロズ)戦で初勝利。松井の勝利は日本投手通算で1065勝目。先発投手を除いて、デビューから中継ぎで3試合目に白星を挙げるのは日本投手で最速となり、これまでは長谷川滋利(エンゼルス)、藪恵壹(アスレチックス)の4試合目だった。