中原みすずさんの初恋を読みました。
1968年12月10に府中で起きた三億円強奪事件が舞台。
現金輸送車が何者かによって襲われ、三億円が強奪されたという事件です。
わずか数分で、誰一人傷つけずに。
犯人はいまだ捕まっておらず、そのお金のありかもわかりません。
この小説はその犯人の中の一人、主人公「中原みすず」が書いたお話。
こんなに大きな事件を扱っているにも関わらず、僕は犯行に及ぶこと、そしてその最中よりも、
みすずの、岸に対する気持ちの方に気持ちが入っていました。
生まれて初めて、誰かに必要とされ、その人に気持ちが引き寄せられていく、甘く切ない気持ちです。
読み終わったとき、僕はすごくさみしい気持ちになりました。
「B」のメンバーがバラバラになっていったとき
亮や母親との関係
岸と会えないさみしさ
どうか、この小説のあとも続いてるはずのみすずの人生が、幸せであれますように・・と願わんばかりです。
幼いころに親と離れ、親戚中をたらい回しにされ、さみしい思いをしてきた彼女の心の穴を、埋めてあげてほしい。
事件から30年が経ち・・・このお話をかいているみすずは、今どんな生活をしているのでしょうか。
過去というものは、形を変えて現在の自分の中に生き続ける