お餅はきなこや醤油で食べるものだと思い込んでいませんか? 実は、前日の残り物のカレーやシチューにそのまま放り込むのが、一番手間いらずで最高に美味い食べ方なのです。
朝夕はひんやりとした風が吹き始め、少しずつ秋の深まりを感じる日が増えてきました。温かいメニューが恋しくなるこれからの季節、ひそかに食卓で活躍しているのがお餅です。気づけば年末年始についても考えをめぐらせてしまう昨今ですが、お正月の前後など、お餅が余りやすい時期にも重宝しています。
作り方は拍子抜けするほど簡単です。前日の余ったカレーやシチューを鍋で温め直す際、冷たいままのお餅をコロンと沈めるだけ。別の鍋でお湯を沸かして茹でたり、オーブントースターの前で焦げないように見張ったりする手間は一切かかりません。とろ火でじっくり温めている間に、お餅は勝手に柔らかくなってくれます。カレーの熱と水分を吸ってとろとろになったお餅は、スパイシーなルーの旨味を余すところなく絡め取ってくれるのです。別皿を用意する必要もなく洗い物も増えないため、忙しい日のランチや小腹が空いた時の夜食にもぴったりはまります。
ここで、私たちはあるシンプルな真理に行き着きます。お餅の原料って、突き詰めて考えればお米なんですよね。もち米という違いはあれど立派なお米の仲間です。そう考えると、ご飯に合うおかずになら何にでも合ってしまうのはもはや必然。カレーやシチューに限らず、肉じゃがの煮汁や麻婆豆腐の残りなど、普段なら白米と一緒に書き込むようなおかずの残りに投入するだけで主役級の輝きを放ち始めます。甘い味付けで食べるおやつ感覚から、立派なお食事メニューへと見事に変身を遂げるのです。
ただ、この手軽で美味しい食べ方には大きな問題点が一つ隠されています。それは「普通のおかずになんでも合ってしまい、美味しすぎて食べ過ぎてしまう」という点です。カレーのスパイスやシチューのミルク感と絡み合ったお餅の悪魔的な魅力は、時として白米のポテンシャルを優に超えてきます。ご飯であればお茶碗一杯で満足してごちそうさまができるのに、お餅だと「あと1個だけならいけるかも」とつい鍋に新しいお餅を追加で沈めたくなってしまうのです。気づけば想像以上にお腹が膨れているという、非常に恐ろしいループに陥ります。
この魅惑的なお餅ライフをより楽しむためのコツをいくつかご紹介します。
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ルーや汁気は少し多めに残す
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お餅を半分に切ると早く柔らかくなる
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とろけるチーズを乗せてコクを足す
たったこれだけで、マンネリ化しがちな残り物があっという間に特別感のある一皿へと早変わりしてくれますよ。
お餅は和菓子のような控えめな顔をしていますが、どんなおかずも受け止めてくれる包容力抜群の主食です。いつもの味付けに飽きたら、ぜひ冷蔵庫で眠っている残り物のおかずに目を向けてみてください。温め直す鍋の中にそっとお餅を忍ばせるだけで、手抜きとは思えないほどの満足感が得られます。今度のカレーの翌日はご飯を炊かずにぜひお餅を用意して、その悪魔的な美味しさを体験してみてください。
