あなたが最後に絵本を開いたのは、いつですか?
大人になった今こそ、子供の頃の絵本を読み返してみてください。きっとあの頃とは違う、新しい自分に出会えます。絵本はただの物語ではなく、今の自分の心を映し出す鏡にほかなりません。
朝夕の風に少しだけ涼しさを感じるこの時期。虫の音が聞こえる秋の夜長は、なぜか懐かしい物語に触れたくなるものです。温かいお茶を片手に、本棚の奥で眠っている絵本を引っ張り出してみるのも楽しいひとときになるでしょう。
たとえば、レオ・レオニの『スイミー』。赤い魚の兄弟の中で、一匹だけ真っ黒なスイミーの物語です。
子供の頃は、みんなで協力して大きな魚を追い払う姿にワクワクしました。でも大人になってから読むと、少し違う景色が見えてくるはずです。
・違いは弱点ではなく強みになる
・深い悲しみを乗り越える力がある
・全体を見渡す広い視野を持てる
みんなと同じである必要はない。スイミーの黒い色は、群れの目となって仲間を導くために欠かせないものでした。自分の個性をどう活かすかという深いメッセージに気づかされます。
次に、エリック・カールの『はらぺこあおむし』はどうでしょう。丸い穴のあいたページが楽しいあの絵本です。
食いしん坊のあおむしが、美しい蝶になるまでのお話。子供の頃は、美味しそうな食べ物や曜日が変わる様子をただ無邪気に楽しんでいました。
・失敗してもたくさん食べて休む
・新しい自分に生まれ変われる
・美しい変化には時間がかかる
大人になると、あおむしの姿が自分自身の成長や変化と重なります。お腹を壊して泣いた日も、さなぎの中でじっと耐えた時間も。すべては美しい蝶になるために必要な過程なのだと、優しく励まされます。
そして、佐野洋子の『100万回生きた猫』。立派なとらねこの、少し切なくて温かいお話です。
100万回死んで100万回生きた猫。誰のことも愛さず、自分のことだけが好きだった猫が、一匹の白い猫と出会います。
・誰かを深く愛することの尊さ
・自分の人生を生きる本当の意味
・失う悲しみと永遠の安らぎ
本当の幸せは、何回生きるかではありません。誰と生きるかなのだと強く突きつけられます。愛する存在を失って初めて声を上げて泣く猫の姿。大人になって読むと、その愛の深さと命の重さに自然と涙がこぼれます。
子供の頃に大好きだった絵本は、いつでもあの頃のままであなたを待ってくれていますよ。
昔好きだった絵本を、もう一度ページをめくってみませんか。あの頃の自分と今の自分が、そっと重なる瞬間を楽しんでみてください。



