パックを開けた瞬間に広がる、甘酸っぱい酢飯の香りと色鮮やかな具材。私にとって一番心に残る「懐かしい実家の味」は、厳密に言えば実家の味ではなく、母方の祖母が作ってくれた「ちらし寿司」です。

 

 

 

 

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8月も後半に入り、お盆休みなどで久しぶりに故郷へ帰省された方も多いのではないでしょうか。 帰省の楽しみといえば、昔から慣れ親しんだ食事の数々が挙げられます。 ふと「懐かしい実家の味」について考える機会がありました。

 

私の実家は父方の家にあたります。 そのため私が「懐かしい」と思い浮かべるこの特別な味は、実は実家の台所から生まれたものではありません。 子どもの頃によく遊びに行っていた、母の実家での思い出と強く結びついています。

 

母方の祖母は、私たちが遊びに行くたびにいつもたくさんのご馳走を用意して待ってくれていました。 中でも私の記憶に深く刻まれているのが、大きなお皿に盛られたお手製のちらし寿司です。 スーパーのお惣菜コーナーで買ってくる市販品とは全く異なります。 本格的なお寿司屋さんで食べる上品で洗練された味とも違うのです。 具体的な言葉でうまく説明するのは難しいですが、「何かが決定的に違う」という不思議な魅力が詰まっていました。

 

甘めに味付けされたしいたけや、丁寧に細かく刻まれた色鮮やかな錦糸卵。 少し強めに効いたお酢の風味が、絶妙なバランスで混ざり合っています。 素朴でありながら、お腹がいっぱいになってもいくらでも食べられてしまう魔法のような美味しさがありました。

 

母の実家へ遊びに行くと「これも持っていきなさい」とお土産を持たせてくれることがあります。 果物やお菓子など色々ある中で、タッパーにぎっしり詰められたあのちらし寿司の存在感は別格です。 手提げ袋の中にそれが入っているのを見つけた瞬間。 子ども心に「やった!」と一番テンションが上がったのを今でも鮮明に覚えています。 数あるお土産のラインナップの中で、間違いなくダントツのお気に入りでした。

 

家に帰ってから晩御飯や翌日に食べるちらし寿司もまた格別なのです。 少し味が馴染んでしっとりとし、作りたてとはまた違う美味しさを楽しめました。

 

大人になった今では、あの「何かが違う」唯一無二の味を直接味わうことはできません。 それでもスーパーで色鮮やかなパックを見かけるたび、あのタッパーのずっしりとした重みと嬉しさを思い出します。

要するに私にとっての懐かしい味とは、誰かが自分のために手間暇をかけて作ってくれた「愛情の記憶」そのものなのだと思います。

 

皆さんには、ふと思い出す特別な思い出の味はありますか?

 

 

 

 

 

 

懐かしい実家の味

 

 

 

 

 

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