熱海殺人事件モンテカルロイリュージョン

@紀伊國屋ホール

 

昨年の初熱海に引き続きの初見。

 

熱海殺人事件の…アレンジされたやつです。

熱海と全然関係ない話出てくるけど、本質的な根底を流れるものっていうか扱われる心情やエッセンスとしては大体同じ?みたいな感じ。

 

正直、昨年初めて見た熱海殺人事件は、よくわかりませんで…

なんか謎の熱量っていうか感情っていうか、なんか浴びて、すっかりくらって打ちのめされて這う這うの体で帰路について、感想と言われれば「なんかすごかった。意味はわからなかったけど」みたいな…

 

今回もそんな感じ。

 

ほとんど意味わかんなくて。

そもそも木村部長がオカマであるし、熱海の部長とはキャラ違うし、最初から「!?!?」で。

特に前半は、突然歌い出したりとか(歌自体は良いのだが、なにゆえ歌ってんのかわからない)、何のためにやってるやりとりなのか全くわからないこととかいっぱいあって・・・

複数回見たらわかることもあるだろうけど、とにかく初見では意味不明で。

 

全然意味わかんないまま後半に入って、そしたら、全然話わからんし意味わかんないのに、終盤ボロ泣きですよ。

 

んなことある???

 

?????????

 

何にどう感動してとか、誰々の気持ちを思うと涙が…とか、そういう、理屈とか流れがあってじゃなくて。

(しっかり解釈すれば本当はあるんだろうけど、少なくとも初見では理解できてない)

 

意味不明だった前半から何らかの思惑にはめられていたのだろうか?とか、色々考えてたんだけど。

 

たぶん、そういうんじゃなくて、もう単純に、役者たちの芝居の熱量に押された、のかもしれない。

 

役者たちの、舞台で懸命に生きる強すぎる熱量と感情の大爆発を、正面から受けてしまった衝撃の涙かな・・・

 

たとえるなら・・・歌詞もストーリーも何もないけどエネルギッシュとか感情のほとばしるダンスとか見て、具体的にどういう話とかはハッキリわからないけど、なんか涙が出る、みたいな感じに似ているかもしれない。

台詞山盛りでちゃんとストーリーもあるのに、失礼かもしれないけど。

 

何が言いたいかっていうと、私が思うに、私が思うにですよ(意味わかってないからね?)、ストーリーや膨大な台詞は実はそこまで大事じゃなくて(大事だけど!!)、超高度な装飾というかあくまで表現手法の一つであって、根底に流れる感情とか、その感情が爆発するパワーとか、そういう目に見えない部分がメインじゃないかと思うのね。

 

だから、たぶん、意味はわからずとも、くらうべきものはちゃんとくらったのだろうと思う。

だから、わからない部分はわからなくても、これでいいんだと思うことにした。

わからないのに涙が出るって、やっぱりすごいことだと思うから。

 

 

 

意味わかってないなりに、ごく断片的な感想を言うと、

 

木村部長が、アイちゃんや水野に寄せられてた感だったのがすごく印象的で、良かったなーと。

部長という絶対的権威のある圧倒的な強者じゃなくて、弱者の面もあって、っていうかバリバリ出してて、アイちゃんでも水野でも大山でもあったような感じがした。なんとなく。

だからかな、みんな細かくは違っても同じようなものを背負ってる、気持ちのわかる、ある意味同志のような感じがしたっていうか。

(オリンピック選手だった、しかも出れなかった、っていう共通項があったからかもしれないけど)

それによってかわからないけど、アイちゃんも、水野も、大山も、木村も、みんな、苦しいなりにも救いの光があったように見えた。

 

なんとなくだけど、熱海の時はただただ究極に可哀想としか思えなかったアイちゃんや水野や大山が、もちろん今回も可哀想ではあるんだけど、なんか救われたように見えた。

なんとなく、みんな、4人とも、神々しく終わったように感じたっていうか、解脱したような。

 

基本的にはみんな何かしら可哀想なものを抱えてて過酷な人生送ってるんだけど、可哀想じゃないのよね。

可哀想と言っては失礼すぎるパワーがあった。

誇りと愛を持って信念を貫いてパワフルに生きて抜いて、それが『可哀想』を突き破ったっていうか。

 

 

(全体像がつかめてなさすぎて、なんとなく抽象的にしか語れない)

 

 

 

 

今回は、4年前のコロナでの公演中止を経て、念願のリベンジとなった公演だそうで。

本当におめでとうございます!!!

 

私は当時は、たわでぃの俳優活動の面はよく知らないただの梅棒のオタクだったのだけど。

たわでぃやマネさんのブログなどで、その思いの強さはひしひしと感じて、是非見に行かなければと思っていた。

4年間悔しい思いで待ちわびた方々と同じ熱量で待っていたわけじゃないけども、その思いを受け止める客席の一つとならんことを思って馳せ参じた。

行って良かった。

正直、全容は理解できてないけど、なんかすごい大爆発のパワー浴びたから!!

すごいものを見た、貴重なものを見せて頂いた、そんな気持ち。

見た、っていうと語弊があるな、やっぱり、浴びた、の方がしっくりくるかな。

 

あと、たわでぃは歌もうまかったし、歌のうまさとは別に声質がとても良かった。あんなに歌いまくるとは思わなんだ。

オカマも美しかったし、おみ足も美しかったし、長身でドレスで踊るダイナミックで華麗な姿はオカマにしかできない美しさだったなー。

 

本当に、木村部長は内側も外側も神々しかったし、それを演じる役者多和田の神々しさも透けて見えた気がした。

 

 

他の3人も本当にすごくてね!?

鳥越さんの安定安心感ったらなかった。人懐っこそうな笑顔と頭悪そうなテンションの裏に流れる重たい感情のギャップにゾクゾクした。「アイちゃんですよ」の重たさったらなかった。ほんとに芝居の人。

嘉島りくくん、実はめっちゃ若手でびっくり。全然そんなの感じさせない貫禄とパワーがあった。特にラストは圧巻。

木崎ゆりあちゃんの、歌の下手さをカバーする(!)パワー!!!感情の大爆発!!!ほんとに泣いた。泣かされた。本当に超大好きな水野&アイちゃんだった。

 

 

すごい舞台ありがとう。