梅棒 シャッターガイ改&Z

キャラクターたちの感想。

(長くなりそうなので、分けながらゆっくり書く予定)

 

改バージョンの主役、つるさんのともゆきについては、分量過多のため(笑)、別記事で先に述べてしまいました。

 

 

ので、続いて、

 

キラキラZバージョンの谷内伸也氏のともゆきについて。

 

しんやさんのともゆきは、陽キャ!!!!!

明るい!!!いい子!!!

ネコダは古くさいとは思っているものの、街の人は基本的に好き。

陰キャなつるさんともゆきがあったからこそ、余計にそう感じたんだと思う。つるさんとの違いが面白い。

 

反抗期は反抗期なんだけど、親父とうまくいってないだけで、つるさんともゆきみたいに、世界はみんな俺のことわかってないみたいな顔はしてなくて、すれてないし、そんなに鬱々としてない。

鬱陶しさ加減が、全然違う。

Tシャツバトルも、つるさんよりは全然楽しそう。

パチンコで借金はしてるし問題はあるんだけど、つるさんはそんな自分も嫌みたいな鬱々さがあるけど、しんやさんはそこまで気にせず楽な方に流されながら飄々と生きてる感じ。(ある意味悪質w)

親父の説教も、つるさんはわかってるけど聞く気ねーよっていう故意に拒絶している感じがあるけど、しんやさんのは、わざと拒絶してるわけじゃないけど、(気にしてなさ過ぎて?)何言っても響いてないみたいな。

 

あおいちゃんとの関係に関しては、あくまで単なる幼馴染の域を出ない。もちろん大事にしてるとは思うけど、たくさんいる仲良しの女の子の一人感がある。何より女の子に慣れている。「みんなに優しい」「誰にでもそうするんだろうな」と感じられる、良良く言えば博愛的な、悪く言えば特別感のあまりない優しさ。

 

デパート側につくのも、自分がのし上がりたい感じゃなくて、キラキラしててなんか楽しそう!お金儲けできそう!みたいな、なんならここで一山当てればお父さんを楽させられる!くらいの、良かれと思ってノリで行ってしまう感じがする。悪く言うと軽薄というか、それでネコダがどうなるかまでは頭が回ってなさそう。

 

デパートでも素直に従順に働いて、お給料も素直にオオタの次に並んでおりこうに受け取るし、とってもいい子だし、とっても嬉しそう。セヴン姉妹やサナダのことも信頼してる感じだし、サナダとしんやさんともゆきの、『上司と、希望にあふれた新入社員』感が純朴でいい。スーツも似合ってカッコイイし爽やかなんよなー。

変なプライドがあるわけじゃなくて、単純にただただわかりやすくお金に囚われていく感じがして、¥マークがシンプルにわかりやすい。

 

ブランド物の紙バッグたくさん持って地上げしに帰る時も、意気揚々だし、紙袋はお父さんへのプレゼントだし、お金も見せて、「俺こんなに稼げるようになったんだよ!」「お父さんも移転しようよ、きっとうまくいくから!」と、良かれと思って希望を持ってやってる感。

地上げって書いたけど、しんやさんの場合、地上げじゃないんだよなー。仲間になろうぜっていう勧誘みたいな。自分は本当に良いと信じているものに人を巻き込もうとしてるような。

他のネコダ民に地上げ迫る時もそう。「移転してみんなで成功しようよ!みんなでお金持ちになろうよ!」っていう。

ハッキリ示されるわけじゃないし、やってることはつるさんも同じだし、セリフにすればつるさんだって同じだと思うんだけど、しんやさんの醸し出す善良さ(!!)が、なんか心から良かれと思ってそうに感じさせるんよ。それは本当にしんやさんの善良さがなせる業で。

 

それであおいちゃんにぶたれて¥マーク取れたところで、初めて、お金に洗脳されていたこと、自分がやってきたことがネコダのみんなを傷つけ裏切っていたことに気づく。

良かれと思ってやってきたことが最悪の結果になっていたことに、やっと初めて気づいたっていうショックかな。

だから、しんやさんのM18苦悩ダンスは、自分の「やらかし」とそれによって失ったものに対する後悔と苦悩という感じ。

重量感あって、感情をパワーに出してる感じが、思春期の男子っぽくて、いい感じ。

 

スーパーサイヤ人の伸也さん、ガタイ良くて、すっごくすっごく似合っててほんと最高だった!!

 

あと、拓矢さんとの父子感がすごかったな!!!

顔も(目がくりくり系なとことか)、体格の感じも、よく似てるし、お父さんも若い頃はこんなんだったのかなって納得する感じ。

ダンスの系統も似てない?

 

私が見た東京の千秋楽は、デパート廃墟から親父に助け出されたシーンで泣いているように見えて、一生懸命に苦しみを乗り越えて戦い抜いたともゆきがとてもかっこよかったし、大変だったであろう初めての梅棒公演での主役という大役(しかもシャッフルで二役も!)をやり遂げた伸也さんにも重なって、あぁ、伸也さん頑張った!!いいともゆきを生きたなぁ!!って思えた。

ピュア!!!

 

 

 

 

キラキラ親父たちを味わう。

ラーメン屋の親父ひでき(塩野拓矢/櫻井竜彦)&果物屋の親父けんや(OH-SE)

 

この、親父たちが私めっちゃ好きで!!!

影のヒーローじゃない?

 

曇天ガエシで自分が書いてた解釈を思い出してさ。

終盤のマチャナとアヤトビがカッコよかったって。

雑に言うと、子離れという覚悟のかっこよさ、自分は影に回って次世代の力と未来を信じて託すカッコよさ、それが親世代の大人のカッコよさだと思った。

 

ひできとけんやも、そうだなって。

 

きっと彼らも昔は戦士だったのよ(それは知らんけど!!!)

戦士かどうかはともかく、ネコダで自分たちが主役で輝いてた時代があって、今もきっとそのつもりで、子を守って戦う立場で。

駄目な息子を養って、なんとかしようとして頑張って悩んでぶつかって。

娘を暴走させないように頑張って、暴走したらうまくコントロールして。まだ彼氏とかは許容できなくて(笑)

2人とも、父親として自分の手の中で子を守り正しく育てる責務を果たそうとしてた。うまくいくいかないは別として。

 

だけどネコダ最大のピンチの時に、戦う立場を、それぞれ娘と息子に託すんだよ。

 

うまくいってないひでき父子に関しては特に、これこそが父親としてのステップアップだったと思うんだよね。

ガミガミ怒るんでなく、何とかしようとするんでなく、ただ守るんでもなく、対等に信じて託してやること。言葉で言うのは簡単だけど、とても難しい。

だから、ともゆきだけでなく、ひできの成長でもあったなと思う。

 

あの二人の戦士を召還したのは、この二人の親父なんだよ!!

親父たち何者なんだよ、なんで知ってんだよ、なんでできるんだよ。

 

けんやのみかんを潰す覚悟の表情、すごく良かったし、すごく勇気のいることだったと思う。

けんやがあおいちゃんを戦士にした時、きっとひできも、息子を戦士にする覚悟をしたと思うし、もしかしたらけんやも、もしあおいちゃんの暴走が止められなくなっても、ともゆきがいる、って思ったかもしれない。(それは想像しすぎかもしれないけど)

 

つるさんともゆきの記事でも書いたけど、あの黄金のラーメン鉢&ザルが、スーパーサイヤ人にする力を持っていて、ひできもそれを知っていて、それを祀っている神棚がそういう神棚(どういう)だとしたら、ひできが毎日祈っていたのは「ともゆきが強くなりますように」だったんじゃないかと妄想していて。

そうだといいな、と思ってる。

だから、ひできだけは、ともゆきが本当は強い(強くなれる可能性を秘めている)ことを知ってたんじゃないかな。(けんやも知ってたかもしれん…)

 

けんやさんは町内会長か何かなのかな。なんか色々仕切ってる感じしたけど。

セヴン姉妹が来て立ち退きを迫られた時に、一人で矢面に立って?対抗するようなダンス踊ったんすごい貫禄あって、俺が許さん!俺がこの街を守る!って感じでかっこよかった。(その役目をあおいちゃんに、最後は娘に託すんよ)

 

秋桜の親父の哀愁ダンスもすごく良かったし、渋かったぁぁぁぁ

あと、高級ミカンをシュッシュッってする動きが地味に好き。

 

 

ひできの役替わりの味わいについては、ともゆきの違いに起因するものも大いにあると思うんだけど、

拓矢さんの方が、圧倒的な越えられない壁な父感が強かった。頑固そうだし、何にも動じなさそうだし、ドンって立っただけで悪いヤツを押し出しそうな圧がある。パンチ力も強そうで、パンチでともゆきをネコダにふっとばすところの圧が凄かった。

そして、これはしんやともゆきが善良だからだと思うけど、親父の方も無口で不器用ながらまっすぐ向き合ってる感じがする。

 

たっさんの方は、拓矢父×伸也息子より、力関係の差が小さい感じ。対等には程遠いけど、完全に親子の拓矢伸也よりは、男同士のケンカ感がある。(あくまで比較したらね!)。

そしてこれもつるさんともゆきが陰キャだからだと思うけど、うまくともゆきに向き合えてない感じがする。ゆっくり話聞かなかったり、大人げなく言い返したりしちゃってそうな感じ。

 

なんか、ともゆきがこんなだから、ひできかこう見える、とか、きっとひできはこういう風に接してきたんだろう、こういう風に育ててきたんだろう…って感じちゃうところがあって。

子供に親の育て方は出る、正確には、周りは子供を見てその親がどんな人間か想像するってことだよなー、演劇に限らず…なんて思った。

例えば、たとえどんなにたっさんが一生懸命ともゆきを愛情深くまっすぐ向き合って育ててるように演じたとしても、子供は親の思うように育ちませんから、あんな鬱々としたともゆきになっちゃって、そしたら観客は、父親はまっすぐ向き合ってこなかったのかもな、なんて好き勝手思うわけ。

難しいよ、子育ては。

難しい役だよ。

 

M3で親子喧嘩してるあたりで、つるさんともゆきが何か言おうとして、たっさん親父がかぶせるように怒った瞬間があったような気がしたんだけど、あーーー・・・・っておかしなところで泣けてしまった。

やってる。私やってる。子供の話最後まで聞かずに怒ってる…

 

 

だけど結果的に、借金したりデパートにいってネコダ裏切ったり色々あるけど、最後はきちんとスーパーサイヤ人をこなして、親父とラーメン屋をやって健全な青年になるわけじゃん。

それはやっぱり、どんなに紆余曲折あったにしても、きっと幼い頃から、たとえ不器用でも下手でも怒っちゃっても、ちゃんとともゆきを愛しんできたっていう土台があるからだと思う。

 

最後一緒にラーメン屋やってるとこは、親のラーメン屋を手伝わされる息子じゃなくて、一緒に対等にラーメン屋をやってる感じが出てて、そういう、親子関係のステップアップみたいなのが描かれてて良かった。

 

 

すごく、親として、考えさせられちゃった。