猜疑の種。 一度 芽吹いた 猜疑の種は なかなか 枯れ落ちては くれません。 僕の奥深くを 蝕んで なにも 信じることが できないのです。 腐蝕した僕は きみさえ 疑ってしまいます。 澱んだ 僕を彩るように 猜疑の種は 鮮やかに花びらを濡らすのです。
うたごえ。 優しいうたが 聴こえました。 やわらかで あたたかい 羊膜のように 包まれて。 生まれるまえの 僕を そっと 揺らすのです。 手足を縮めて まるくなって 沈み込む。 浮遊する。 穏やかな波が 静かに うちよせる。 絶え間なく。 終わることなく。 優しいうたが 聴こえました。 ちいさく きえゆく 僕を 赦すように。 羊膜に還る 僕を やさしく なでて。 優しいうたが 聴こえています。 ありがとう。 さようなら。 ずっと ずっと。