前回の回想録で、やっとこさ南街会館の前まで辿り着きましたので、今回はその南街会館について。

南街会館の土地は日本で初めて映画を上映した地といわれている場所で、70年後半、南街会館には5つの映画館がありました。
1階:南街劇場、地下:なんば東宝、3階:南街シネマ、6階:南街スカラ座・南街文化劇場、です。

南街劇場は2階席も有する客席1000を超える大劇場で、大学生になってキタを利用するようになる80年代前半までは、米国の大作映画はここでよく観ました。
映画は『スター・ウォーズ』『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』『グリース』『地獄の黙示録』『レイダース/失われたアーク<聖櫃>』『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』『2001年宇宙の旅』のリバイバルなど。

特に『地獄の黙示録』は限られた劇場でしか上映されなかったオープニングタイトルもエンドクレジットもないバージョン。
内容はさっぱり判りませんでしたが、ワーグナーの『ワルキューレの騎行』を爆音で鳴らしながらヘリコプターが凄まじかったです。

早朝試写会で2階席で観た『レイダース/失われたアーク<聖櫃>』は、オープニングの巨大石球が転がるシーンにビックリ。
その後もハラハラドキドキの連続。
前売り券を買って、ロードショウ後にもう一度観たものです。

南街劇場の2階席で観たのはこの1回限り。

80年代にはいって、2階席部分を改装し、それまで地下にあったなんば東宝を「南街東宝」と改称して劇場にしたからです。
2001年宇宙の旅』のリバイバルを観たときにはすでに2階席がなく、久々に訪れたときには「あれれ、2階席があったはずだけど」と思ったものです。

地下にあったなんば東宝へは1度もはいったことはありません。
移設後の南街東宝へは、『となりのトトロ』と『火垂るの墓』の2本立てや『ゴジラvs.キングギドラ』を観た記憶があります。


もともと急傾斜だった南街劇場の2階席を改築したので、南街東宝も客席が急勾配だったと思います。

中学・高校のころは自由に使える小遣いが少なかったので、これは絶対にロードショウで観るぞ!という作品しかロードショウで観なかったので、思い返すと、意外と南街会館で観ていないもんだなぁ、とヘンな感慨があります。

とはいえ、ここへは足繁く通いました。
というのも、当時チラシを集めるために、学校が終わって自転車を飛ばして、南街劇場でチラシをもらってからエレベータで6階に上がり、チラシをいただいたら、階段で3階へおりていく、ということを毎週のようにやっていたからです。
(チラシの収集は途切れることなく、いまも続いているのですが)

ということで、次回は6階の2館と3階の南街シネマについて記すこととします。