週中に鑑賞した『千年の一滴 だし しょうゆ』のレビューを、
和食を探る「科学と歴史」のドキュメンタリー」のレビュータイトルで、


今年1月から上映が続いているドキュメンタリー映画『千年の一滴 だし しょうゆ』。
ユネスコ世界遺産にも登録された「和食」の根っこを探る第1部「だし」、第2部「しょうゆ」の2部構成のドキュメンタリー映画です。
さて、映画。

「だし」は和食の基本。
それも、こんぶだし、かつおだし、この2つを組み合わせることで、味の土台をつくっていく。
では、だしのもととなる「こんぶ」と「かつおぶし」はどのようにつくられるのか・・・

「しょうゆ」は、だしの上に乗り、味の旋律を奏でるもの。
さて、「しょうゆ」はどのようにしてつくられるのか。
そこには「枯れ木に花を咲かせる」不思議なカビの存在があった・・・

と、和食を探る「科学と歴史」のドキュメンタリー。

超接写や微速度撮影などを使った映像が美しい。
特に第2部の「しょうゆ」における発酵のもととなるアスペルギルス・オリゼー(ニホンコウジカビ)が繁殖していく超接写は美しい。

カビが美しいなんて信じられないでしょうが、美しいのです、ホントに。

で、このオリゼーは、古くから存在していたアスペルギルス・フラバスという毒素をもつ種類のカビから、日本人が永年の酒やしょうゆづくりのなかで取捨選択を繰り返し行ってきた結果うまれたものだということ。
おぉぉ、やはり和食って奥が深い、と改めて感じた次第。

「和食」に迫ったドキュメンタリーだけれど、おいしそうなお料理はそれほど登場しませんが、和食の奥深さを感じられること請け合いの映画です。

評価は★3つ半としておきます。
(フランスのテレビ局との合作ですが、やはりNHKスペシャル的なにおいは感じられてしまうので、そこいらあたりは少々気になりました)

<追記>
おいしい和食が登場するドキュメンタリー『二郎は鮨の夢を見る』(アメリカ映画)もお薦めします。