Pavla Models(チェコ)製の簡易インジェクションキットを製作しました。
Nieman(ニェマン) R-10です。設計を主導したヨシフ・ニェマンの名を冠しています。またの名をKhAI-5(KhAI:ハリコフ航空研究所)とも言います。
この飛行機は、1930年代中盤からソ連で運用された軽爆撃機・偵察機です。低翼単葉、引き込み脚、密閉風防を備えた近代的な機体ですね。第二次大戦時には旧式化したため、主に夜間爆撃に使われたのだとか。
同じ用途の機体としてはソ連のPo-2、R-5、Su-2や日本の九九式襲撃機が軍用機界隈ではよく知られていると思いますが、R-10は。。。
総生産数約500機とのことで、戦間期に開発された飛行機って武勇伝があまり残って無いんですかね。
とはいえ大祖国戦争(独ソ戦)の序盤では、ソ連が大混乱に陥る中でこのような旧式機が前線を支えていたのだと思います。
おそらくR-10の1/72インジェクションキットはこれだけでしょう。キットのリリース時期は1996年です。もう30年くらい前ですね。
ソ連機沼に沈んでいた15年ほど前に中古模型店(たぶん秋葉原のレオナルド)で購入し、製作&放置を4ターンほど繰り返し、ついに成仏しました。
90年代の簡易インジェクションキットなので、当然のように風防はバキュームフォーム、小さい部品はエッチングパーツ頼み。「自分で作ってね」と書かれたパーツもいくつかあります。
ユーザーフレンドリーな日本製キットばかり作っていたので、完成までだいぶ時間がかかりました。
海外サイトの作例(物好きな方が結構いますね笑)を参照しながら、なんとか形にできた感じです。
キットはなかなか曲者ですが、全体的な形状は実機に忠実なように見えます。この辺は、さすがご当地のメーカー製だなぁと思います。
<手をいれた箇所>
・コックピット:そのまま組んでも絶対に胴体に収まらない笑 切って削って接着位置を調整してようやく収まりました。前席後席の極厚な「板」のようなパーツがとにかくやばいです。
組み立てた後に、座席以外は、プラ板プラ棒工作の方が無難だと気が付きました。
・脚部:パーツが脆く不安なので、0.8mm真鍮線を曲げて置き換えました。
・尾輪:他の飛行機キットの余剰パーツです。
・照準用スコープ:船模型の余剰パーツででっち上げました。
・胴体脇(右側)の部品:正確な名前は分かりません。何かの計測器でしょうか。完成イラストには有るのに部品は無いので、船のパーツを使って自作。
・ピトー管:0.6mmプラ棒に0.3mm真鍮線を組み合わせました。インストによると付属のエッチングパーツがピトー管になるのですが、厚みが無いので却下。
・後部機銃:Mini World製のShKAS機銃の置き換えました。照準器の取り付けが難関で、拡大鏡があると楽かも。キット本体とほぼ等価という贅沢なオプションパーツです。実はこれを使ってみたかったというのが、正直な本機の製作動機かもしれません。
<塗装>
塗装とマーキングは、1942年夏にバルチック艦隊に所属していた機体のものです。
緑:RLM82ライトグリーン+ロシアングリーン(2)
ライトブルー:ライトブルー+白
グレー:Mr.カラー337 グレイッシュブルー
デカールは、キット付属のものが使えました!
フィルムはかなり薄いですが、マークソフターで溶けることもなく貼れました。