私は、その言葉に嫉妬した。
「いよいよ本編が始まるよ」
これから楽しくなるわよとか
超楽しみなんですけどとか
誰もがが使いそうな言葉ではなく
〝本編が始まる″
それにそれを感じる、聞こえてくる
インスピレーションーションとやらを
受け取る力にも
激しく嫉妬していた。
そう私は彼女より自分を蔑んでいる。
〝自分はまだ全然出来ていない″
そう自分のことを蔑んでいた。
それを気付かせてくれたのは
毎日の仕事の中で
私はこう答えていた。
〝まだ全然出来ていません″
その答えに上司はこう答えた。
〝出来ていなくていいのに何故毎回
「全然」だとか「まだ」だとか
付けるのか分からない″
「はっ」とした。
私はとっくにインスピレーションとやらを
受け取っていたんだ。
「今の自分を蔑むな」
「自分のことを周りの人と同等に扱え」と。
私の神様は現実を使って
私に教えてくれていた。
この最強の嫉妬心は私の中に
可能性があることを教えてくれた。
私にも私がたまらなくときめく言葉を
使って文章を書き上げることが出来る。
そしてインスピレーションとやらを
受け取り私の最大の味方と共に
私の可能性を引き出すことも出来る。
さあ、またここから始めよう。
自分の可能性を引き出すゲームの始まりだ。
いつの間にか彼女への嫉妬は私の中から
溶け出して何処かへ行ってしまった。
ドリー・レイコ
