〝秋〟がすきだ。

 

小学生の頃、秋になると音楽のじかんには、秋の歌を歌った。

そのことを思い出すと、ほっこりする。

秋の空気と、秋のにおい。

 

今年は、はっきりと〝秋〟🍂を感じられてとてもうれしい日々を送らせてもらっている。

風がすずしくてさわやか。

 

毎朝、洗濯物を干していると、どこからともなく金木犀のかおりがうっすらふわっと香るときがある。

見渡すけれども金木犀らしき木は見当たらないのだが、それでもたしかに金木犀のかおりがする。

どこからやってくるのだろう。

 

秋のすきなところ。

これから寒い冬がやってくるとおもう時間。

それもまたいい。

 

幸田文さんの『季節の手帖』という本がある。

春夏秋冬の四季の話。

なかでも秋の章の話が私はとてもすきだ。

そのページだけを読んでいたい気持ちになる。

 

そんな、私のすきな秋の話のなかからすきな話をすこし。


 ゆうべ鏡の前へ外しておいた腕時計を、今朝手にとれば、ひんやりと冷えています。時計の小さいつめたさと、我が手のぬくみとが、両方いちどにわかります。時計のようなこんな小さなものが、小さいなりに秋を堪えて、そっとひえているのです。

 

鏡も冷えています。冷えて、澄んで、ですから深さをとてもよく映しだします。ブラウスの衿の折り返しが、ほんとにくっきりとうつります。

 

冷えて明晰になっているのは、いい気持ちです。まして、手のくぼみに受ける化粧水の冷えは、もっとしっかりいい気持です。だらけていないな、という締った感じがあります。

『秋さわやか』 より抜粋


ご紹介したい文章がまだまだありますが今日はこの辺りでおしまいに。