今夜のDVD:名探偵ポワロ「死との約束」(アガサ・クリスティー) | 食事処 御来欧音おらいおーね(福岡県筑紫野市阿志岐1521‐1/ゼロ戦/鉄道模型/ガンプラ)
 
 
こちらは、本家本元というべき、デビッド・スーシェ主演のBBC版です。
野村萬斎さんのドラマを見た際に、BBC版とえらく違うな~と思っていたら、むしろ、
野村萬斎さんの勝呂武尊の方が、原作に近いんですね。
 
となると、原作以上に賑やかなのが、このデビッド・スーシェ作品ということになります。
 
・原作以上に恐るべき暴虐の奸婦、金融街の主として世界に君臨するボイントン夫人
・凡庸である以上に無邪気で、物語の縦のラインに、新たな横の伏線を演出する、
ボイントン卿(オリジナル登場人物)
・主旋律に絡む複数のサイドストーリーの一翼を担う、ボイントン卿の連れ子、
レナード(オリジナル登場人物)
・表の顔は神の使徒、裏の顔は悪の組織の手先、尼僧アニエシュカ
(オリジナル登場人物)
・大幅に役割が上がり、事実上主犯といっても差し支えないジェラール医師。
原作では心理学者。実の娘との心の絆が泣かせる。
・人間性・母性に満ち溢れた動機に変更された真犯人ウエストホルム卿夫人。
・真犯人がボイントン夫人の命を奪わなかったとしても、その人生を完膚なきまでに
破壊して見せた、最強の刺客へと昇華されたミスター・コープ。この演出も最高。
 
メソポタミア殺人事件、ナイルに死す、に続く中東長編作品第三作として知られる
この作品を、今夜はゆっくり楽しみたいと思います。