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ついに全機が完成したブルースター・バッファロー。
ブルースター社が送り出したアメリカ海軍初の引込脚戦闘機モデルB139「バッファロー」
でしたが、F2A1として米海軍に採用されたものの、性能は不十分。
速度や上昇力向上を目指してエンジン馬力を強化してF2A2となったものの、今度は
運動性が低下するというジレンマに悩まされ、「バッファローの保険」として開発された
グラマンF4Fワイルドキャットが高い評価を受けていたこともあり、約500機製造された
バッファローシリーズは、以後、輸出用に振り向けられることになりました。
当時、ソ連のスターリンからの一方的な侵略(冬戦争)と戦っていたフィンランドには、
初期型のF2A1から着艦装備などを外したB239というモデル44機が供給されました。
もっとも、既にブルースター社はエンジンを強化したF2A2をアメリカ海軍に提案しており、
不要になった機体でした。
1939年12月、これらの機体は船積みされ、一旦スウェーデンに到着。
最初の6機がフィンランド空軍の飛行第22戦隊に納入されたのは1940年3月10日でした。
写真のBW-388号機は第22戦隊の所属でしたが、当時はジュラルミン地肌のままの無塗装
だったようです。冬戦争はバッファロー到着の3日後、1940年3月13日に休戦となりましたが、
フィンランドはソ連の再侵攻に備えて空軍の増強を行うことになります。
一方、1940年4月には組織改編で飛行第22戦隊は第2飛行団所属から第3飛行団所属に
移り、バッファローを全機飛行第24戦隊に引き渡しました。
BW-388号機もフィンランド空軍独特の濃緑色/黒色/灰緑色の三色迷彩をまとって
O.カウッピネン中尉らが搭乗し、MIG-3やハリケーン、イ-152、Il-2シュトルモビク、
Pe-2といった敵機を継続戦争中(いわゆる独ソ戦)に撃墜しています。