第779回東京定期演奏会[土]
2026年04月11日 (土) 14:00(13:10 開場 )
サントリーホール
指揮:カーチュン・ウォン[首席指揮者]
ソプラノ:森谷真理
メゾソプラノ:林美智子
テノール:村上公太
バリトン:大西宇宙
合唱:晋友会合唱団
ベートーヴェン(マーラー編曲):交響曲第9番《合唱》 ニ短調 op.125
日フィル70周年シーズンのオープニングはベートーヴェンの第9、指揮は首席のカーチュン・ウォン、今回はマーラー編曲版、シューマンの編曲は効果的でもあり、マーラー版の存在価値を認めるところも多ですが、ベートーヴェンに関しては、楽器の進化や会場に合わせた金管や打楽器の増強が目立ちます。その意味では、第1楽章で随所にホルンやティンパニで普段からすると、おっと思わせる強靭な、やはりちょっと違和感もあり、音が聞こえてきました。
カーチュン・ウォンの解釈は、テンポは極めて遅く、こんな第2楽章は他では聞いたことがないくらい。フレーズ単位ではそれが面白く聞こえるのですが、やや弛緩気味に聞こえるところも正直あり。第3楽章も神聖なものや、達観したものでもなく、さらっと流れるイメージ。第4楽章、ソリストの配置がメゾ・ソプラノ・テノール・バリトンとなっていたのはどういう意図だったのかしらむ。合唱も少し配置が普通ではなかったような。ソリストは大西の見栄を切るような冒頭ソロ、この人、かなりの資質があるので、あまり大仰なことはしない方が良いと思うのですが、声が立派なのは確か。合唱は日フィル合唱団ではなく、晋友会が出演。会場にも関係者と思しき人も多くしました。表情つくり過ぎの団員が数名いて少し苦笑、合唱自体は悪くはなかったというところでしょうか。最後の畳みかけがあり、盛り上がって終演となり、盛大な拍手となりましたが、何か最後まで違和感がありました。カーチュン・ウォンもマラ6の名演があったのですが、ベートーヴェンやブラームスでは、あのスタイルは鬼門なのかもしれません。秋のレニングラードはおそらく合っているので期待大、来年のブル8はやや不安というところでしょうか、では。

