2026年10月3日(土)15:00 川口リリア
濱田芳通&アントネッロ J.S.バッハ「マタイ受難曲」
指揮:濱田芳通(リコーダー)
福音史家:中嶋克彦
イエス:坂下忠弘
声楽・管弦楽:アントネッロ
ソプラノ:金沢貴恵 鈴木麻琴 田崎美香 中川詩歩 中山美紀 和田悠花
アルト:中嶋俊晴 新田壮人 野間 愛 彌勒忠史
テノール:伊原木幸馬 小沼俊太郎 田尻 健 谷口洋介
バス:黒田祐貴 清水健太郎 谷本喜基 松井永太郎
オーボエ:小花恭佳 小野智子
フルート:柴田俊幸 野崎真弥
ヴァイオリン:天野寿彦 廣海史帆 瀬下莉瑚
依田幸司 吉田爽子 大光嘉理人
ヴィオラ:多井千洋 本田梨紗
チェロ/ヴィオラ・ダ・ガンバ:武澤秀平
ヴィオローネ:布施砂丘彦
リュート:高本一郎
チェンバロ/ハープ:曽根田 駿
オルガン:上羽剛史
チケット:全指定席 9,000円(税込み)
いや~、素晴らしいマタイでした。BCJとは全くことなるスタイルでのマタイ受難曲、BCJはプロテスタント、北ドイツ、フランドルの世界のバッハ、アントネッロはラテン、イタリアの世界のバッハ。東京で両方聴けるのは幸せ。正直言って、数年前までは比較的大きな編成のアントネッロの演奏は、フレージングなどの味はあるものの、やや粗いというか合奏としての精度はそこまででしたが、最近はレベルも高く、本当に集中して聞くことがあります。
鞭打ちのところでの激しいピッチカート、群衆の叫び、さりげないパロディ(ほかの作曲家のフレーズの挿入)など、思わずフフフとなる仕掛けもあちらこちらに。通奏低音もガンバの武澤、ヴィオローネの布施、リュートのベテラン高本の上手いこと!、またチェンバロ・ハープの曽根田の持ち替えというか移動とかも大変そうでしたが、こちらも上手い。ここを聴いているだけでも楽しい。
エヴァンゲリストの中嶋、最初は少し弱い印象もあったのですが、進行するにつれ声が延び、語り部としての迫真性が増してきました。イエスの坂下、最近は濱田のお気に入りでオルフェオでも主演、他のソロメンバーとは空気感が違いノーブルというか、不思議な雰囲気がある人、前半は声量がちょっと足りないと思っていたのですが、終盤のイエスの語りが素晴らしい、エリ、エリ、レマ、サバクタニ、なぜ神は私をお見捨てになったのですか、での気持ちはストレートに伝わると共に、清めよ、わが心 (Mache dich, mein Herze, rein)の共感性、清々しさ!は特筆すべきものでした。
その他、合唱メンバーがほぼ順にソロをつとめていきますが、弥勒は流石と言いたいところですが、やや過剰に感じられたのが残念、一方BCJでもおなじみの谷口の堂々とした歌唱(ソロでは一人だけ暗譜)、決然としたものに何か矜持を感じました。また、バスの松井・清水も素晴らしい。
全体を統括する濱田、喫茶店のマスターのような空気ですが、エネルギーの発露が凄い、ここ数年でカリスマ性が増したのではないでしょうか。次はバッハのカンタータの演奏会があるようですが、タイミング合えば、是非行きたいと思います、では。


