神田キリスト教会 2025年12月27日(土)17:00開演
〈演奏曲目〉
《スターバト・マーテル》
ソプラノ 阿部早希子
CT             村松稔之
オラトリオ《ラ・ジュディッタ》(ローマ1694年版)抜粋
ジュディッタ(S)   佐藤裕希恵
オツィーア(S).    阿部早希子
オロフェルネ(C.T) 村松稔之
司祭(Br)       薮内俊弥
隊長(T)        中村康紀

太田光子 大塚照道 杉田せつ子 池田梨枝子 宮﨑蓉子 佐々木梨花 春木英恵 懸田貴嗣 角谷朋紀 佐藤亜紀子 矢野薫 辻文栄 平井み帆
指揮 福島康晴  お話 佐々木なおみ

 

2025年最後のコンサートは没後300年のアレッサドロ・スカルラッティを特集した日本イタリア古楽協会主催のコンサートです。鍵盤で有名なドメニコのお父さんがアレッサンドロとなります。

 

アレッサンドロと言えば、カイン・最初の殺人、というオラトリオがあり、またグリセルダあたりが有名ですが、スターバト・マーテルとラ・ジュディッタも初聴です。スターバト・マーテルはシンプルな編成の楽器群の上に、ソプラノとアルト(今回はカウンターテナー)が美しい旋律が交互に重ねられ、二重唱もありますが、正に佳曲、全体もう少しコンパクトになれば、もっと聴かれる曲になるだろう思わせるもので、有名なペルゴレージの作品に通じるものがあるというか、ペルゴレージの作品はナポリの教会から、好評だったものの10数年経過したアレッサンドロのスターバトマーテルに代わる作品として委嘱されたものなので、繋がりがあるのは当然でしょうね。神田キリスト教会がかなりデットな響きなので、古楽のヴァイオリンは丸裸の音になり相当難しかったと想像しますが、ソロの二人の歌唱が素晴らしい、特にCTの村松の伸びる美声、喉が太くない声が映えていました。村松は新国のジュリオ・チェーザレでも大活躍していましたね。

 

後半は未亡人ジュディッタが敵将に取り入り、最後は寝枕で首を掻き切るという劇的な展開のオラトリオからの抜粋でした。解説の佐々木が抜粋したようですが、コンパクトにまとめたもので、途中で解説が入るので物語の展開も理解しやすく、音楽も素晴らしい。特に最後のタイトルロールの佐藤と敵役村松の二重唱が出色でした。ピュアな美しさと劇性が料理した見事な作品・歌唱で、ハープ、チェンバロ・リュート・リコーダーも入り拡大したオケも十分聴き応えがありました。如何せん、もう少し響くホールであれば!隊長役のテノールは一寸残念な出来であったのが惜しかったですね。

 

日本イタリア古楽協会は、普段は講演会や小さなコンサートが多いようで、今回の企画は相当気合が入ったもののようでしたが、チケットは自由席ながら完売で演奏もかなりの成功、次の企画への期待が高まります。年の暮れに良い演奏会に行くことができました、ではまた来年。