2026年10月9日(金) 19:00開演/サントリーホール
第1053回定期演奏会Bシリーズ
指揮/ジョナサン・ノット
ピアノ/アンヌ・ケフェレック
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 op.58
ヘンデル=ケンプ編:メヌエット ト短調 (ピアノ/アンヌ・ケフェレック)
ブルックナー:交響曲第6番 イ長調 WAB106(ノヴァーク版)
東響を退任したノット、名誉称号はないようですが、過去のポストでも全く受けていないようなので、ポリシーなのでしょうか。東響音楽監督在任期間は、日本のほかのオケに客演しない契約になっていたそうですが(急病井上道義の代役での新日フィルは例外)、今後は都響、新日フィル、大フィル、紀尾井室内管とかなり振るようで、新しいレパートリーに挑戦もするようですが、都響は東響とやり残したブルックナーシリーズの最後の1曲、6番を取り上げていました(正確には6番も計画されたが、コロナでキャンセル)。それがゆえ、エクストンだと思われる録音マイクがたくさん立っていたので、初共演ながら音源が発売されるようです。
6番はスダーン・東響、尾高・大フィル、そして最近ではカサド・東響の名演が印象に残っています。外来オケで演目に乗る可能性はほぼないのでしょう(いままでもバレンボイムの全曲演奏会位?)、まあいつかウィーンフィルが本拠地の演目をそのまま持ってくる可能性はあるかもしれません。
いつものノットのブルックナー、クネクネ指揮は相性が良ければ音楽にうねりと呼吸感が生まれ、素晴らしい演奏につながります。ブルックナーは一定の箱の中ので呼吸する分には良いですが、ノットはついというか、彼の音楽としてそれをはみ出ることが多々あります。それが少ない初期のブルックナーだと成功していると感じますが、後期になればなるほど、厳しくなるのではないかと思います。スダーンも4,6番は素晴らしかったものの、7番は中庸、8番はあまりいただけないものでした。ノットも音源も含めていうとやはり8,9番はあまり感心できず、1,2,3番が素晴らしいものでした。さて6番ですが、初共演の都響とはやはりオケがややあの独自の指揮に自然にはついていけないところがあり、少しもどかしいところもありましたが、弦の響きが充実しており、第1楽章、第4楽章で何か所も良い響きを出していました。意外にティンパニ、TpやTbの合いの手的な音型を強調しないのは、小生の好みではないですが、やはり良い指揮であるのは間違いないなと感じました。第2楽章は元々ダレ易いというか、バランス的に少し長すぎますね、もし改訂の時間があれば、ブルックナーも手を入れたのではないかしらむ。最後は輝かしく終わり、盛大な拍手に包まれていました。
前半は大ベテランのケフェレックの優しいタッチでのベトP4、高貴ながら力強い左手の打点は聞かれなくなりましたが、その代わりお人柄そのままの、優しい音楽が聞こえてきて、幸せな気分になります。この曲はバックハウスの演奏が何にも増して大好きなのですが、その対極的なケフェレックの演奏、染みました。アンコールはお得意のヘンデルのメヌエット、これも高雅で良い曲ですね。ケンプのSWでのライブ録音があり、それを愛聴しています。来シーズンの指揮陣には入っていませんでしたが、ノットはまた都響に呼ばれるのではないかな、と想像しています、では。


