8/8(土)東京芸術劇場
第1049回定期演奏会Aシリーズ
指揮/尾高忠明
ピアノ/北村朋幹
三善 晃:オーケストラのための《ノエシス》(1978)
松村禎三:ピアノ協奏曲第2番(1978)
エルガー:エニグマ変奏曲
尾高が初演した二曲に、大得意のエルガーを組み合わせた、尾高・都響らしい成程と唸らせるプログラム。Aプロなので会員ではありませんが、12月のBプロから振り替えて聴きに行きました。
無条件に自分の感性に合う日本人作曲家は、小生にとっては矢代秋雄とそして三善晃なのかな、と感じています。共に洗練された音楽で、三善は時代によって作風がいくつかに分かれますが、戦争三部作や交響四部作、合唱曲、子供のためのピアノ小品集などに惹かれます。今回のノエシスは初めて、勝手にレオスが演奏されると思い込んでいて、かなり長い演奏会だななんて能天気なことを考えていた自分が恥ずかしいです。しかしこのノエシス、日本語にすると「意識作用」特徴的な楽器を材料として見て、それをこの曲では日本というフィルターを通じて、輪郭を与え形にしたということなのかと理解しましたが、まあ合っているかは分かりません(笑)。バンブーチャイムやマリンバの響きが印象的。
松村禎三のピアノ協奏曲はいまはなきニッポニカの演奏会で1番は聞いたことがありますが、2番はあまり意識もしたこともなかった曲です。ノエシス初演の3日後に同じく尾高指揮でこの曲を初演されたとのこと。北村のピアノが素晴らしい、最近は独自路線というか、武満、メシアンなど追求し商業路線とは一線を画してわが道を行くという感じですが、まあ梶本がバックについているのでね(笑)。しかし、今回のピアノは過去の北村の演奏と比較していも一番印象的、一つ一つの音が明瞭で、何かしらの意思を感じる演奏。正直まともに聴くと曲自体は結構しんどいものがありますが、北村のピアノ部分は大いに感じ入りました。
最後は尾高の十八番、エルガーのエニグマ変奏曲、交響曲であれだけ録音があるのに、この有名な変奏曲は録音がないようですね。正に手中の音楽、すべてを把握しており、緩急・強弱・上品な表情付けなど抜群。尾高はエルガー、シベリウス、ブルックナーは身を委ねて聴けますね(ロマン派、古典、チャイコなどでは、物足りないところがあるのが不思議)。この日は都響の素晴らしい反応もあり、充実した清々しい演奏。外国人や学生の招待者が多かったようですが、前半は関係者(池辺晋一郎先生もおられた)やピアノの学生は色々話していた様子でしたが、あまり予備知識ない人はきつかった模様(笑)、しかしこのエルガーの引き締まった良演で笑顔で帰宅できたようでした、では。

