2025年5月22日(金)、23日(土)16:30 開演  大阪松竹座

 

 

歌舞伎を観出したのは東京へ生活の拠点を移してからなので、大阪松竹座に通ったのは数回ほどですが、今回の閉座はやはりさみしいものがあります。何らかの形で残すと言ってもどうやら上演を行う形ではなく、建物としては何とかというような、中途半端な発表しか聞けていませんが。

 

今回は一日休暇を取得し、実家の所用の対応も兼ねながら2日間、夜の部 仁左衛門出演の盛綱陣屋をターゲットに大阪へ行きました。1日目が1階15列目で花道の傍、2日目が1階3列目真ん中という座席でした。

 

九代目團十郎はボロクソに言う佐々木盛綱、近年では仁左衛門の当たり役として演じられてきましたが、最近は上演がなかったので久しぶりの機会となりました。仁左衛門自身がこの義太夫狂言を解説した資料も昔から読み返してきたので、表情一つ、動き一つの意味を知っているので、やはり大変見応えがありました。武家として凛とした姿勢、心が動くものの抑える演技、首実検の際の複雑な感情、小四郎の想いへの共感など真っすぐ打たれるものがありました。何というオーラ、真実しかない姿・声、憑依型の役者である仁左衛門の眞の涙、そしてその上での型の美しさが堪らないものがありました。1日目よりも2日目の方がより訴えてくるものが強まっていたと思います、一生の宝。

 

今回感心したのが和田兵衛秀盛の愛之助、人物像に役者として合って来た、堂々とした姿、台詞、仁左衛門の後の時代、暫くは愛之助が中心にならねばなりません。是非、色悪役を隼人と共に仁左衛門から吸収して、役柄のレパートリーを拡げてほしいと思います。種太郎の小四郎も立派、表情が過度でなく演技できていたのが素晴らしい。

 

盛綱陣屋と打って変わって、喜劇の星野屋。七之助、扇雀、鴈次郎による上演。小ネタを入れすぎのような気もしましたが、本も良く、流れるようなテンポ感があり、新作ながら繰り返し上演される理由が良くわかります(関東ばかりの上演で、今回が大阪初演とのこと)。笑わせてもらいました。

 

そして、最後は仁左衛門監修(出演はなし)の上方歌舞伎の名作のハイライト上演、作品を知っている人にとっては、そうそう、としながら、そして最後は拍手で包まれて終幕となりました(千秋楽は最後に仁左衛門もカーテンコールで登場したとのこと)。片岡進ノ介も登場、彼はどのような気持ちで出演しているのでしょうか?国宝ではないですが、こちらの方も小説になりそうな立場ですね。

 

最後となった大阪松竹座、仁左衛門の懇親の盛綱を観ることができた充実の舞台となりました、では。