2026年04月26日(日) 14:00 開演
第739回 定期演奏会
サントリーホール

 

指揮:パブロ・エラス=カサド

シューベルト:交響曲 第7番 ロ短調 D759「未完成」
ブルックナー:交響曲 第6番 イ長調 WAB106

 

東響のブルックナー6番と言えば、スダーンとの超名演があり、これはオケレーベルで発売した記録も残っているが、ブロック形式のブルックナー演奏を行うスダーンのスタイルと最も適合したもので、今でもベストと確信しています(スダーンのブルックナーは8番、9番は裏目に出ていただけない、7番が中間というところ、4番の演奏も良し)。最近では、尾高・大フィルのマッチョなブルックナー6番も素晴らしいものでした(フォンテックのこのライブでの録音はちょっと大人しく聞こえてしまうのが残念)。前シェフのノットは東響と初期交響曲も含めてブルックナーを演奏してきましたが、なぜか6番はコロナで延期になったり、演目を変えたりと、遂に演奏しないまま任期終了、しかし、今シーズン都響に客演して6番を演奏予定ということなので、何か避ける特別な理由はなかったということなのでしょうか。

 

さて、東響はシーズン最初の定期は音楽監督・首席が指揮することが慣例でしたが、今回はヴィオッティのスケジュールの都合か、今回の指揮はカサドを招聘、古楽から大規模ヴィルトゥオーゾオケ、バイロイト音楽祭と幅広く活躍している旬の指揮者をよく招聘できたものです。

 

相対的に肯定的な意見が多いものの、結構賛否が分かれた演奏。私自身は、この細マッチョながら、尖ってもいる筋肉質の演奏、大いに気に入りました。まずは未完成、古楽オケを振ってきた経験をモダンオケに適用したものですが、以前放送で聞いた、ミュンヘンだったかどこかのオケでの未完成はやや生ぬるい印象であったものの、今回の東響は第1楽章の緊迫感、Tpのいかにも古楽を振ってきた人らしい強奏も効果的、彼岸の音楽としてではなく、ザッハリヒの音楽というのでしょうか、第2楽章は音楽自体が天国的でありますが、第1楽章との比較でそこは対照的にしつつも、鳴らすところは遠慮なく、この明確なやり方、気に入りました。これまで生演奏では、ヴァント・北ドイツ放送響、スクロヴァ翁・読響がベストでしたが、これに次ぐものと評価したいと思います(それ以外、数多く聞いてきましたが、なかなか納得できない、物足りないものばかりで。。。)。

 

さて、メインのブルックナーの6番、リズムが跳ね、肥大化した表現は皆無、金管群を輝かしく響かせ(TPがディランで良かった!)、その意味では未完成で見せたスタイルをこのブルックナーでも適用した演奏。この曲は第1楽章と第2楽章がメインで、4番、7番と同じような曲構成であるものの、スダーンのよう、ブロック形式の音楽づくりが顕著でこれが効果的、力強さも十分。第2楽章がやや張った糸が緩むような印象があったものの、それを超えるカタルシスも感じさせるものがあり、N響では三角帽子以外はどうも???だったカサド、真っ直ぐに反応する東響の方が組み合わせとしては良いように感じられました。第4楽章の最終部、4番と同様に突然終わる印象もある曲ですが、しばらくの静寂が素晴らしかったです。そこまで期待していなかったので、大いなる収穫でした。

 

東響、ロレンツィオ・ヴィオッティとの船出が近づいてきました。ダフニスや最後の四つの歌はスケジュール上、聞けないのですが、巨人、ブラ3・ドヴォ7、7つの最後の言葉を今シーズンを聴く予定で、どのような結果になるか楽しみです、では。