第2049回 定期公演 Cプログラム 1日目
2025年11月14日(金) NHKホール
指揮:シャルル・デュトワ
合唱:二期会合唱団
― ラヴェル生誕150年 ―
ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
ラヴェル/組曲「クープランの墓」
ラヴェル/バレエ音楽《ダフニスとクロエ》(全曲)
惑星の演奏もすばらしいものでしたが、今回のラヴェルプログラムも全くもって素晴らしい。オールラヴェルの実演では、芸劇でのルネ・都響の作曲家ラヴェルの肖像、以来の20数年振りの会心のラヴェルの演奏だったと思います。
冒頭は亡き王女のためのパヴァーヌ、ソロは前回に引き続いてパリ管のバルソニーが客演首席でこの有名な旋律を何とも言えぬ音色で完璧に演奏します。外来オケの来日公演を含めて、これまでナンバーワンの演奏、まあこのNHKホールで、この曲でと驚きを禁じ得ません。続いてのクープランの墓、吉村のオーボエを筆頭にN響の木管パートの妙技が光ると共にセンスが良い、ラヴェルを聴く醍醐味。
今回は後半に大合唱が入るせいだと思いますが、いつもより舞台の前方にオケが出ていて、この響かないホールでは絶対この位置の方が客席に音が響きます。大規模な作品は兎も角、それ以外の曲でも、この位置にして欲しいのですが。ピアノ協奏曲の時は、オケに位置は奥に置かれて、協奏曲以後もその位置のままで、ダメになってしますことがよくあります。
ダフニス全曲はデュトワでは2回目、第2組曲は数回聴いてきましたが、全曲演奏は本当に久しぶり。クリュイタンスとデュトワの全曲のディスクは本当に何度聴いてきたことか。ニュアンスに富みながら、メリハリも十二分に聞かせて、そして兎に角、間が最高、詰めすぎたり、一本調子になる指揮者が大多数ですが、ここはデュトワの真骨頂、弦の押さえを少し弱めにさせ、ビブラートも手前に軽く弾くようにということを徹底しているのでしょう、明るい音色、以前のような色彩が多様というよりは、筆のタッチが繊細で、筆の流れが計算し尽くされているという印象です。第1部の滑稽なドルコンの踊りまでのニュアンス、海からの襲来でのダイナミズム、弾けるリズム、見事な管楽器ソロ、弦楽器の弾けかたも秀逸、そして有名な第3部、神田のフルートソロがキリリとして美しい、合唱は二期会、常設合唱団ではないので、やや声はばらけますが、この曲ではそれが却って良い面も。いやあっという間の50数分でした。鮮やかなバトン、オケ・合唱の反応、各パートソロの充実、文句なしのコンサートでした。次、オールラヴェルの演奏会でこれほどの満足度のあるもの、いつ聴けるかしらむ。
尚、前半妙に照明が暗いのは当初デュトワから眩しいとの指摘があったからだそうですが、逆に楽譜が見えにくくなったとのことで、後半に入る前に照明の調整に少し時間が掛かっていたすです。
デュトワは来年三角帽子の第二組曲と幻想に加え、アルゲリッチとの協奏曲がAプロ、Cプロでベートーヴェンの4番と7番、Aプロは1日目の会員ですが、おそらく2日目もチケット押さえて行くことになるでしょう。Cプロは・・・、と思いましたが、今日の演奏を聴いて、来年度Cプロで唯一行く演奏会にしようと思いました。あまり評判は良くなかったですが、嘗てBプロでデュトワが指揮した7番は痛快な演奏でした。それにしてもサントリーでデュトワを聴きたいです(笑)、では。


