2025年9月14日(日)夜の部 Bプロ

2025年9月20日(土)昼の部    Aプロ

 

15代仁左衛門の道明寺、実演で観るのは4回目、動きが多い芝居ではありませんが、最後の娘との別れの場面でいつも感動が押し寄せる作品で、13代仁左衛門の名演の映像も忘れられません。仁左衛門ではなく、もう菅承相にしか見えない、という記事も多くありましたが、正にその通り、溢れる品格が秀逸。筆法伝授では、ニュースにもなった、冠が落ちて自分の悲劇的な将来を漠と感じる場面の後、膝から崩れた時は驚き心配しましたが、幸四郎・橘太郎がフォローして、花道ではなく、袖から退出となりました。81才で体力的には限界に挑戦しながらの芝居ですが、道明寺でも律しつつも身体の動きは限定されたものになっていましたが、その精神力には圧倒されました。

 

道明寺では魁春の覚寿が予想外に素晴らしい、魁春はちょっと厳しいなと思う芝居が続いていたのですが、これだけスポッと嵌る役は久方振りでは?橘太郎の麻呂ももうはまり役、孝太郎は鉄板で左近も大健闘でありました。

 

最初の加茂堤、米吉はこの役は前回も務めていて存在感を示していましたが、他の出演者ややや小振りの演技に終始。

 

車引は、芝翫、松緑、錦之助というベテランが3兄弟、流石のベテラン、松緑・錦之助、特に松緑は松竹に主役級で重用されますが、芝翫は年齢を考えると充実期にあたるはずなのに、例のプライベートの問題でイメージダウン、特に女性客からの支持を失い、それ以前も集客面で苦戦していたこともあり、段々と主役を張れないようになってきていますが、ここの芝居だけを見ると、合う演目は限られますが、勿体ないなとの気持ちも過りました。

 

賀の祝い、やや冗長にもなりがちなこの芝居、8代菊五郎の品格は立派だったものの、全体としては時間が長く感じてしまったのも事実。歌六の声が小さくなってきているのも気になる点。

 

最後は寺子屋、高麗屋の型での寺子屋で前半ほかの家とは少し違う演出があちことに。男女蔵の涎くり太郎で笑いを、流れも良し。雀右衛門の千代は貫禄十分、時蔵の戸浪も作り出す空気感が素晴らしい。そして源蔵の染五郎、まだまだ身体が出来上がっていないので、いるだけの存在感を出すことはできないですが、ピンと張った緊張感、そして声の使い分けが良いですね、染五郎は年齢相応の役よりは、時代物、義太夫ものを演じる時の方が、これは、と思わせることが多く、特に正月の絵本太閤記の武智光秀が素晴らしい、今回もその路線なので伝わってくるものが多くありました。前髪ものと時代・義太夫ものが○、青春もの・新作は上滑ることもあり、ということでしょうか。松王丸の幸四郎、やや芝居くさいところは変わらず、幸四郎は何でも一定程度できてしまうのが弱点、舞踊や型がカチっと決まっている演目は素晴らしく、その意味で勧進帳(弁慶○、富樫×)は良いのですがね、、、

 

9月の菅原伝授手習鑑の通し興行、仁左衛門中心となりましたが、女形の活躍、染五郎の潜在性を感じさせてくれたものとなりました、10月は義経千本桜の通し、こちらも仁左衛門のいがみの権太、團子の狐忠信が楽しみです、では。

 

 

 

(こちらは令和2年のポスター)