第1007回定期演奏会Aシリーズ
日時:2024年9月4日(水) 19:00開演(18:00開場)
場所:東京文化会館
指揮/大野和士
ピアノ/ポール・ルイス
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 op.37
シューベルト :ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D.960より 第3楽章
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 WAB107(ノヴァーク版)
ポール・ルイスのピアノは強引ではなくて、軽い美しいタッチ。過去ベートーヴェンのソナタを聴く機会がありましたが、もう少し重みが欲しいなと感じていたのですが、この日の3番のコンチェルト、第2楽章のリリシズム、第3楽章の軽ろみはなかなかの味わい、第1楽章が堅固たるものがあれば、対比的にも良かったのですが。都響は第1楽章はおいおいというな軽率なホルンや、弦もバラっとなるところが多く、コクがなかったのは残念。アンコールのシューベルトの21番から第3楽章、面白い曲想ですよね、ルイス得意のシューベルト、20番や13番のソナタが聴きたくなりました。
後半のブルックナーの7番、呼吸感はありながら素直で真っ直ぐな演奏、ニュアンスはあるのですが、テンポ自体は揺れないところが素晴らしい、結構これができない指揮者、オケの何と多いこと!宇宙や永遠性を感じさせるブルックナーではないのですが、敢えて言えば青春のブルックナーとも言えるもので、エネルギーも十分。小細工がないのが良いですね。前半のベートーヴェンと異なり、都響の弦の厚みも素晴らしく、木管も良い仕事、ホルンがやや雑なところがあるものの、全体としては清々しい気分にさせてくれるブルックナーでした。今年に入り、尾高大フィル6番、大野都響3番、フルシャ都響4番、インバル都響9番、エッティンガー東フィル4番、ノット東響7番、そして大野都響7番と聴いてきましたが、尾高大フィル6番、大野都響3番がツートップ、それにインバル都響9番、大野都響4番が続くという評価です。ここから年末まで、高関シティフィル8番(第1稿)、ルイージN響8番(第1稿)、ソヒエフMPO8番(第2稿)、ラトルBRO9番、カーチュンウォン日フィル9番とブルックナーを聴きますが、どうなるでしょうか、楽しみです、では。