2024年6月1日(土)16:30開演  夜の部

2024年6月22日(土)11:00開演 昼の部

 

6月歌舞伎座は萬屋の襲名・初舞台。時蔵家は結構若く亡くなるケースが過去多く、当代時蔵は若くして襲名しましたが、音羽屋、播磨屋、松嶋屋各々の家に気を使いながら大変な苦労があったかと想像されます。玉三郎と菊之助の間を繋ぐ、立女形と言えば時蔵と雀右衛門と言われるまでになりました。その萬屋、梅枝が時蔵を襲名し、時蔵は初代萬壽を名乗るとのこと、萬屋と祝いという意味なのでしょうけれども、もう少しスッキリというか他の名前はなかったのかしらむ。また、現梅枝の長男が初舞台と同時に父の梅枝を継ぐとのこと。昼の三笠山では、何と仁左衛門が豆腐屋おむら役で新梅枝を連れて登場(初役とのこと)、そこで劇中口上となりました。また、夜の部の山姥では、菊五郎が音頭をとりここでも劇中口上がありました。新萬壽は菊五郎、仁左衛門の相手役を長く勤めてきたのでこれは当然でしょうね。

 

三笠山では新時蔵のお三輪が立派、一寸クドイところがあり、女官たちからのいじめの場ではもう少し受けに改良の余地はあるにしても、古風な芸風であり、それがプラスに働いていました。若い頃は瓜実顔で一寸線が細かったのですが、年々着実に良くなってきているのは大したものです。これからも期待。またいじめの女官は小川家総出演、作品としての面白さというよりは、内輪的なもので襲名だけのものでしょう。夜の部の山姥は新萬壽の想いが強い作品とのこと、正直に言えばあまり面白くはない作品、特に山姥の舞踊の部分は良く意味が理解できず、何なんだろうあれは、、、。とは言え、獅童息子たちも愛嬌があり最後は華やかでした。

 

獅童は宗五郎、演劇としての面白さは良く出来ていたし、それぞれの役処が結構嵌っていたものの、歌舞伎としての完成度はこれから、この辺りを見ると音羽屋はすごいのだなと改めて感心した次第です。その他、千本桜の時鳥の所作事、見目麗しい若手の爽やかさが目立ちました。一方夜の部の南総里見八犬伝、ここだけ取り出しても、、、この作品は通しでないと面白くないのかもしれませんね。尚、百両首は都合で観ることができませんでした、では。