2024年5月11日 (土)14:00 開演 ( 13:10 開場 )
サントリーホール
指揮:カーチュン・ウォン[首席指揮者]

マーラー:交響曲第9番 ニ長調
(演奏時間 約81分)※休憩はございません
S¥8,000 A¥6,500 B¥6,000 C¥5,000 P¥4,000 Ys(25歳以下)¥1,500

 

カーチュン・ウォンのマーラーシリーズもいよいよ半ばで、今回は第9番。情念ドロドロ解釈のマーラー演奏は苦手で、音楽そのものに既にそれらは詰め込まれているので、変な個人的なものを入れないで欲しいのですが、過去はブロムシュテット・NHK交響楽団の第1回目の演奏(先年の第2回目の感動的な演奏もありましたが、完成度は第1回目が明らかに上回り、総合的にはこちらに軍配が上がると思います)や、サロネン・フィルハーモニア管の演奏が実演では理想的なものでした。今回のカーチュン・ウォンの9番はこれまでで一番アポロ的なもので、細部まで見通しが素晴らしく、いつもながらのキレ味ある明確な棒にオケが見事に反応していました。兎に角、ホルンソロ信末、ヴィオラソロ安達がお見事、またトランペットは少し惜しいところはありましたが、こちらもいつもながら素晴らしい。バスクラの音も深く日本フィルの演奏ではこれまでで一番オケの出来栄えとしても良かったのではないでしょうか?

 

解釈は上述の通りで、バーンスタイン教の方には物足りなく聴こえたかもしれません。どうやら第4楽章とそれまでの楽章を区分しているようで、第4楽章はタメもしっかりと作っていましたが、それも不自然さは皆無でした。スタイリッシュなマーラーの9番で、これはかなり立派なものだったと思います。ラザレフ~インキネン~ウォンと続いてオケが鍛えられて日フィルもここまで来たのかと感慨深いものがありました。日フィルは今シーズンから土曜A席で聴いていたのですが、カーチュン・ウォンがいるのでS席へ変更しました。広上とコバケンの回はどなたかに譲るか、オケピで売却すると思いますが、、、。来シーズンのマーラーシリーズは復活、こちらも騒々しくない高度に整理された演奏が聴けると期待しています、では。