第2009回 定期公演 Bプログラム
2024年4月24日(水) 開演 7:00pm [ 開場 6:20pm ]
2024年4月25日(木) 開演 7:00pm [ 開場 6:20pm ]
サントリーホール

 

シューマン/歌劇「ゲノヴェーヴァ」 序曲
シューマン/チェロ協奏曲 イ短調 作品129

ペルシア民謡  シーラーズの娘
シューマン/交響曲 第2番 ハ長調 作品61

 

指揮 クリストフ・エッシェンバッハ
チェロ キアン・ソルターニ

 

エッシェンバッハの指揮は90年代は爆演・デフォルメで、インパクトがあり嵌る時は良いが、そうではないときには、単なる変態指揮者に・・・・、あれだけ成功したピアニストから指揮者に転向してしばらくはオケの掌握にも苦労していたようですが、フィラデルフィア管の音楽監督ポストを得たあたりから徐々に変わってきたように思います。振り返れば、フィラ管、パリ管、北ドイツ放送響など名だたるオケのシェフだった訳ですから、爆演指揮者などというのは失礼かも(笑)。

 

エッシェンバッハのシューマンと言えば、先ずはフィッシャー・ディースカウとのピアニストとしての歌曲での共演が最大の賛辞をもって素晴らしいと言いたいのですが、交響曲は全集を2回録音していたはずで、バンベルク響と北ドイツ放送響だった(シュレスヴィヒ・ホルンシュタイン管?)を振っていましたが、粘っこい演奏で結構面白いのですが、録音がやや籠っていて損をしていました。また、2011年にウィーンフィルと来日した際にシューマンの2番を演奏しています。この来日公演での2番の演奏はウィーンフィルが主導していたような音楽作りで、然程評判にはなりませんでしたが、小生は結構気にいっていました。

 

この2番、内容が濃く、オケにも結構負担を強いる曲だそうで、パリっとした、または濃厚な表現の実演にはなかなか出会えないのですが、スダーン東響のマーラー編曲版の演奏は未だ過去断トツ1位、CD化もされていますが、これは聴き返しても素晴らしい演奏だとの想いは消えません。それ以外は、若い頃に大阪シンフォニーホールで聴いたサヴァリッシュN響の演奏が、正に堂々たる立派な演奏で、その音圧とサヴァリッシュのカッコよさに痺れました(ドレスデンとの録音も素晴らしい!)

 

さて今回のエッシェンバッハの演奏、適度な濃厚表現とN響の分厚い音がミックスされて大変聴き応えのある演奏となりました、インパクトといては上記2つに譲りますが、それに続くものだと思います。Tpの崇高なテーマ、木管群(今回はオーボエ、クラリネット◎)、川崎・郷古の両コンサートマスターも牽引力十分で、躍動していました。ただ残念なのが、演奏ではないのですが、左隣の90歳代と思しき老人の呼吸音の煩さ、もう加齢によるものなので注意もできないのですが、良い演奏だったのにゲンナリしました(B定期2日目)、位置的には良い席なのですが、来シーズンは席替えします。。。尚、両日聴きましたが、出来栄えと同様かと。

 

前半のゲノヴェーヴァ序曲は実演でははじめてではないかしらむ。冒頭がやや凡庸な曲想ですが、途中からはかなりロマンティック、弦パートの反応が秀逸。シューマンのチェロ協奏曲、ソリストはイラン人のソルターニ、立派な体躯なのですが、どうも線が細い、ホールの後ろの方では、あまり音圧なかったのではないかな~。アンコールはペルシャ民謡、これは(志鳥栄八郎みたいですが)お国ものだけあって流石の演奏でした、では。