第369回定期演奏会
2024/4/19 (金) 19:00開演 [18:15開場]

東京オペラシティ コンサートホール

 

指揮:高関 健(常任指揮者)
ヴァイオリン:南 紫音 

Ken Takaseki, Principal Conductor
Shion Minami, Violin

 

R.シュトラウス:楽劇「ばらの騎士」作品59、第1幕および第2幕より序奏とワルツ集
シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番 作品35
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
R.Strauss: Der Rosenkavalier, Op.59 ActⅠand ActⅡ: Prelude and Waltz
K.Szymanowski: Violin Concerto No.1, Op.35
L.v.Beethoven: Symphony No.3 in E-Flat Major, Op.55, "Eroica"

 

好調が続く都響、ヤノフスキの指揮で律せられたN響、ムーティに率いられた献身的でやる気に満ちたハルサイオーケストラの演奏が続き、4月は他の常設オケは結構苦しいのでは? 今年は新国も4月公演は回避してきたし、来年も東京の春旋風が続くのでしょうか。

 

そんな中、本日はシティフィル定期、今シーズンのオープニング。それにしても冒頭ばら騎士の序奏などというのはどういう意図なのかしらむ?編曲は作曲家自身で、かつてフリッツ・ライナーがシカゴ響と録音したものと同じバージョンではないかと思われましたが、どうなのでしょうか。シュトラウスのような音の詰まった楽曲は得意な高関・シティフィルのコンビですが、流石にばら騎士は真面目過ぎる印象、弦も色気がないし、管楽器も一寸無骨でしたね。続いてはシマノフスキのヴァイオリン京須曲第1番、南紫音がソリスト、見目麗しい女性でおっかけらしいおじさんが幾人か(、亀井聖矢の偏狂的なおばさま・お姉さま方を笑っている場合ではありませんな(笑)。なかなか一本筋の通ったヴァイオリンで、過去聴いた覚えがないソリストですが、資質は十分感じます。只、シマノフスキの第1番、変わったというか、エキゾチックというか、神秘主義的というか・・・・結論としては意識が天に昇ってしまいました。確かかつてイザベル・ファウストが弾いた時も撃沈したような記憶が、、一寸相性が悪いのかもしれません。

 

メインはベートーヴェンの英雄、気合の入った演奏でしたが、第1楽章前半はなぜか息苦しく間がない演奏、コーダ前後から急に音楽が活き始めて、低弦も唸りはじめましたが、金管が抑制気味で若干ストレスも、メリハリはあるが、解放感が感じられないということろでしょうか?第2楽章は木管ソロは美しいものの、ヴァイオリンのプルトの後ろの方が鳴っておらず、アンザッツもややバラバラに。第3楽章はもっとアクティブで撥ねる演奏が欲しいところ。第4楽章のプロメテウス変奏は、きっちりとした高関の指示が上手く、主題の入りが強調されたり、時折なかなか聞こえない音が木管から聞こえてくるところなどは面白味もありました。

 

客入りは7割ということでしょうか、強力ラインナップが続く4月は集客も難しいでしょうね。次回シティフィルは藤岡のロンドン交響曲は所用でスキップ、鈴木秀美のグレイトなどになります、では。