2024年4月6日(土)昼の部、夜の部

引窓の出来栄えはイマイチ、梅玉も声が飛ばない。松緑の濡髪はレベルは高い。扇雀のお早は個別の芝居としては好きなのだが、どうも周囲の役者と空気が違う。

七福神は若手人気役者による舞踊、しかし並んでいるだけで正直面白くない。右近の大黒天、最初は誰か分からなかった(笑)

 

 

愛之助、夏祭はすっかり得意役に。如何にも上方風のドロっとしたしつこい芝居、これはこれで良い。動きがあるところは文句なしだが、流れで演じる場面では少しダレるところも。お辰も演じ分けたが、やや地が出てしまうのが惜しい。菊之助の徳兵衛はスタイリッシュだが、一寸キレイごと過ぎるか。傾城の莟玉が思いのほか遊女の空気感があったのがポジティブサプライズ。種之介は何でも上手いが、以前播磨屋で観た際も磯之丞を演じていたが、どうもしっくりこず。義平次の嵐橘三郎はあたり役、播磨屋との義平次はいやらしい雰因気とどこか憎めない様が素晴らしかったが、今回も上出来。もう少し磨けば、更に良い芝居になるのではないかと思います。

 

 

仁左衛門、玉三郎、分かっていても圧巻の芝居。特に神田祭は至極の時間でした。何てことのないストーリーですが、その色気、一つ一つの目線、信じられないほどの完成度。円熟の極みというところか。清元の清美太夫の艶やかな声がまた素晴らしい。清美太夫、もっと聴きたいですね。おそらく生涯一の神田祭になると思います。その前のお六・喜兵衛の色悪の世界が対照的でこちらも文句なし、特に玉三郎の台詞廻し、その描き分けには感嘆。仁左衛門の目線での芝居も堪らない。何とかあと2~3年、孝玉コンビの芝居を堪能したいですね。

 

 

仁左衛門、玉三郎の芝居に圧倒され、後半の四季の踊りはどうも・・・。その中では最後の冬・木枯の踊りの工夫が目立ちました、ここは松緑の良い仕事だと思います、では。