2024年3月26日(火)横浜みなとみらいホール

指揮=原田慶太楼 ピアノ=亀井聖矢

チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」から ポロネーズ

ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 op.11
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 op.26

リスト ラ・カンパネルッラ
S¥6,500 Sシルバー(65歳以上)¥6,000
A(2階LA,RA,Pブロック)¥4,000

 

亀井聖矢については才能、技巧共に優れ、かなり以前から推してきたピアニストですが、どうも偏狭的な信者のようなファンが増加し、良い演奏の後でもどうもよい気分にはなれないので、最近はチケットを取得することも減ったのですが、如何にも亀井のピアノにピッタリのプロコフィエフの3番を演奏するということで横浜に聞きに出かけました。

 

最初は原田慶太郎の指揮で豪快なポロネーズ、原田は造作が若い頃の佐渡的なにおいがして若干胡散臭く感じてしまうのですが、オケのドライブ、鳴らせ方、おやっと思わせるバランスなど指揮者としての技量はなかなかあります。しかめっ面の芸術家ばかりでも困るのですが(笑)。続いてのショパンの1番は、飯守翁シティフィルの定期で亀井のピアノで聴いて以来となります。あの時は衝撃的なチャイ5の名演がありましたが、前半のショパンでも特に第2楽章のリリシズムが素晴らしかったのを鮮明に覚えています。この日の演奏も第1楽章が意外に古典的というか、ドライブすることなく、第2楽章での繊細なタッチに感心、ということになったので、成長過程とは言え、これが亀井の解釈なのでしょう。

 

そして休憩後のプロコフィエフの3番、第1楽章の前半こそ少し硬さが目立ったものの、その後のグルーブ感は圧倒的、シティフィルと演奏したラフマニノフの3番を想起させました。原田も木管の強奏など個性的な解釈も、第1楽章の後半のソロ部分からの集中力はやはり才能を感じました。第2楽章も良く考えられた演奏、それにしても良い曲だな~。第3楽章、例の越後獅子のテーマからの展開が鮮やかで文句なし。多少のミスタッチも全く気にならないもレベルでした。

 

亀井のショパン演奏は全般的に一寸ニュアンスが足りず(メランコリックに陥らないように気を付けているのは良く伝わってくるのですが・・・)ですが、ラフマニノフ、プロコフィエフ、サンサーンス辺りは、技巧と熱とセンスのバランスが抜群ですね(後は意外にベートーヴェンの演奏が良い、ワルトシュタインの演奏などは〇)。

 

例の全人代、某北国の党大会のような、演奏直後からスタンディングオベーションで顔の前で拍手する光景は相変わらずありゲンナリとしますが、変な方向に流されないためにも、海外で一定期間修行・演奏に集中した方が本人のためかもしれませんね

では。