2024年2月23日(金・祝)
[ 第1部 ] 11:00開演 [ 第2部 ] 14:00開演 

[ 第3部 ] 16:00開演 [ 第4部 ] 19:00開演
東京オペラシティ コンサートホール

 

[ 第1部 ]
ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 Op. 63
ピアノ三重奏曲 第2番 ヘ長調 Op. 80
ピアノ三重奏曲 第3番 ト短調 Op. 110
[ 第2部 ]
ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 Op. 105
ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ニ短調 Op. 121
ヴァイオリン・ソナタ 第3番 イ短調 WoO 2
[ 第3部 ]
弦楽四重奏曲 第1番 イ短調 Op. 41-1
弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調 Op. 41-2
弦楽四重奏曲 第3番 イ長調 Op. 41-3
[ 第4部 ]
幻想小曲集 イ短調 Op. 88
ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op. 47
ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op. 44

[ 出演者 ]
諏訪内晶子(ヴァイオリン)
ベンジャミン・シュミット (ヴァイオリン)
辻彩奈(ヴァイオリン)
中野りな(ヴァイオリン)
米元響子(ヴァイオリン)
佐々木亮(ヴィオラ)
鈴木康浩(ヴィオラ)
イェンス=ペーター・マインツ(チェロ)
佐藤晴真(チェロ)
ホセ・ガヤルド(ピアノ)
阪田知樹(ピアノ)
福間洸太朗(ピアノ)
葵トリオ<秋元孝介(ピアノ)・小川響子(ヴァイオリン)・伊東 裕(チェロ)>
カルテット・アマービレ<篠原悠那(ヴァイオリン)・北田千尋(ヴァイオリン)・中 恵菜(ヴィオラ)・笹沼 樹(チェロ)>

 

葵トリオのトリオ第1番は聴きたかったのですが、体力的なことも考慮し、第2部から参戦しました。第2部はヴァイオリンソナタ3曲、第1番を中野、第2番をシュミット、第3番を辻が演奏しましたが、曲としては第1番にはやり惹かれます。第1線の3人で、音色に個性があり、表現の三者三様でしたが、凛とした中野、響きの幅がある辻に惹かれました。シュミットは拘り過ぎてもっと素直に弾けば良いのにと。

 

第3部は弦楽四重奏曲、シューマンのカルテットは正直これまで熱心な聴き手ではなかったのですが、古典の要素に様々な実験もある第1番が素晴らしい。楽器間のバランスも個々が一番良かったですが、殊にチェロの伊東の響き、歌わせ方、この日のNo.1でした。アマービレの3番は若干精彩に欠いたか。

 

第3部はピアノ4重奏、5重奏にピアノトリオの幻想小曲集。幻想は葵トリオ、曲自体は然程魅力がないのですが、葵トリオの好調さを改めて感じられました。ピアノ四重奏曲はシュミットのヴァイオリンはソナタと違い響きも良く、またピアノの阪田のセンスのあるタッチが光りました。そして名曲ピアノ五重奏曲は御大・諏訪内晶子が登場。ムターばりの恰幅の良いヴァイオリン、今のスタイルではないのかもしれませんが、存在感抜群で、昨年秋に所沢で聴いたブラームスの2番、3番の素晴らしいソナタの演奏を想い出しました。弦の他のメンバーが諏訪内に合わせているようなところもあり、まとまりとしてはもう一歩でしたが、所謂ガツンとくる聴き応えという意味では十分でした。昨年はブラームス、今年はシューマンでしたが、来年のマラソン室内楽コンサートのテーマ作曲家は誰になることかしらむ、では。