第2006回 定期公演 Bプログラム
2024年2月15日(木) 開演 7:00pm [ 開場 6:20pm ]
サントリーホール

 

指揮 パブロ・エラス・カサド

ヴァイオリン アウグスティン・ハーデリヒ

ソプラノ 吉田珠代*

 

ラヴェル/スペイン狂詩曲
プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 作品63

カルロス・ガルデル作曲《ポル・ウナ・カベーサ(首の差で)》
ファリャ/バレエ音楽「三角帽子」(全曲)*

 

三角帽子の全曲、コンサートでははじめてかと思います。中学生の頃、アンセルメ、スイスロマンドのデッカ盤を何度聴いたことか。それ以来、様々な盤を聴いてきましたが、アンセルメ盤に肩を並べるものはなかったのですが、数年前のカサド、マーラー室内管の全曲演奏には驚きました。躍動感に満ち、オケの性能抜群での銘盤で、ようやくアンセルメ盤に並ぶものとなりました。

 

このカサドの指揮ということで楽しみにしていました。この日もN響もコンマス郷古はじめて若返りした弦楽セクションの熱とノリが素晴らしい。カサドはスペイン出身ですが、決してお国ものでその空気感ということではなく、素直に譜面に向き合った真っ直ぐでうねりやタメを意識的には作らずというものですが、真面目なN響には少しスパイス的に使った方が全体バランスはよりよくなったかもしれません。アンセルメ盤ではベルガンサ(これが良かった!)でしたが、この日は吉田でこちらも真面目ではありますが、私の席では声の張りもあり雰因気も感じられました。

 

ラヴェルのスペイン狂詩曲、オケの性能が素晴らしい。カサドの指揮はこちらでも真面目でゆらぎのようなものはなし。ラヴェルはこのあたりが難しい。ソヒエフのダフニスはその揺らぎがあり超名演となっていましたが、カサドのラヴェルはこのあたりに限界があるのかも、演奏自体は良かったのですが。。。

 

プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番、正直1番も2番もあまり好きではない曲なのですが、ハーデリヒのヴァイオリンは滅茶上手い、美音ではないですが、音幅があり深い音、この響きなかなかあるものではありません。ハーデリヒは聴いたことがなかったのですが、もっと聴きたくなりました、では。