第367回定期演奏会

2024/2/2 (金) 19:00開演 [18:15開場]

 

指 揮:藤岡 幸夫(首席客演指揮者)
ヴァイオリン:神尾 真由子
オルガン:石丸 由佳 

Sachio Fujioka,Principal Guest Conductor
Mayuko Kamio,Violin
Yuka Ishimaru,Organ

 

ロッシーニ:歌劇「チェネレントラ」序曲
菅野祐悟:ヴァイオリン協奏曲(世界初演)
サン=サーンス:交響曲第3番 ハ短調 作品78 「オルガン付き」

G.Rossini: La Cenerentola, Overture
Y.Kanno: Violin Concerto(World premiere)
C.Saint-Saëns: Symphony No.3 in C minor, Op.78, “Organ”

 

大河ドラマなどで活躍している劇伴作曲家のヴァイオリン協奏曲の初演ということで、オペラシティの席はかなり埋まっていて、普段見かけることのない人たちが会場のあちらこちらに。結論から言えば、第1楽章の冒頭5分は予想外にソロの展開が良く出来たもので、そこからの展開に期待したのですが、クラシック音楽として構成云々というには一寸違う音楽に・・。第3楽章は正に劇伴音楽として立派で聴き応えはありました。単純なメロディーにならないような苦心はあちこちに見られましたが、やはりオーケストレーションがどうしても、想像の域を超えるものではなく、中間は一寸ダレたのも事実でした。神尾のヴァイオリンは大作家の恋愛、恋文をテーマにしたこの曲を、いつもながらの濃い味付けでの演奏でしたが、曲想には良く合っていたと思います。

 

その他は冒頭のチェネレントラの序曲、一寸硬さはあったものの、途中から乗りの良い物に。サン=サーンスのオルガン付きは、石丸のオルガンの音が結構大きくてビックリ、でもこれ位が丁度良いのかも。藤岡の気を衒わない音楽作りは、第1楽章の襞が繋がるようなパッセージを丁寧に表現、第4楽章の追い込みも聴かせるものがありましたが、インパクトは少し弱めかな。第2楽章を聴かせるのが難しい曲ですが、最近のシティフィルには珍しく少し弦が薄く感じられました。次回は今シーズン最後で、高関のマーラーの交響曲第5番です。きっちりとやり過ぎる心配が少しありますが、熱いシティフィルの演奏、特に谷のソロに期待したいと思います、では。