2024年1月27日 (土) 14:00 開演 サントリーホール
指揮:カーチュン・ウォン[首席指揮者]
ピアノ:児玉麻里* 
ピアノ:児玉桃*

 

チナリー・ウン:グランド・スパイラル
プーランク:2台のピアノのための協奏曲 ニ短調*
コリン・マクフィー:タブー・タブーアン*
ドビュッシー:交響詩《海》

 

サウスイースト出身のカーチュン・ウォンらしいプログラム。一般受けはしないとは思いますが、年間プログラムのバリエーションとしては良い物でしょう。チナリー・ウンはカンボジアのパイオニアとなる作曲家で現在81歳でアメリカ在住とのこと。スパイラルシリーズの1曲とのことで1981年の作品。後半最初のマクフィーはカナダの作曲家で1936年の作品、マクフィーはガムランに魅せられ実際に4年ほどインドネシアに滞在した上で作曲したとのこと。インパクトはそれほどでもなかったものの、響きや音節の継ぎ目の工夫が面白いところはいくつかあり、結構楽しめました。

 

プーランクの2台のピアノのための協奏曲、何とも粋な作品、モーツァルトをベースにしながら、ストラヴィンスキーや勿論プーランクの味わいが全編に漂って良い心持にしてくれる作品。20代の頃にプーランクを集中して聴いていた時期があったのですが、この作品はたまに聴きたくなりますね。最後のドビュッシーの海、カーチュン・ウォンの描き分けが上手く、コントラバスの意味深いピッツィカート、金管のメリハリがあり聴き応えあり。過去ウィーンフィルやフランス国立管で聴いた海面が太陽光でキラキラ光るあの弦の輝きは流石に聴くことはできませんでしたが、総合点は高いものでした、では。