十月大歌舞伎 『荒川十太夫』上演記念
神田松鯉・神田伯山 歌舞伎座特撰講談会
神田松鯉傘寿を祝って
会場    歌舞伎座
日程    2022年9月28日(水)14時

【ご観劇料(税込)】
1階桟敷席  10,000円 ※限定お土産付き
1等席 (1・2階席)  7,000円
2等席 (3階席)  5,000円

 

一、開口一番 鯉花 栁沢昇進録より将軍饗応
一、赤穂義士伝より 「安兵衛駆け付け~婿入り」
  神田伯山
ー仲入りー
一、特別鼎談
  神田松鯉 神田伯山 尾上松緑(特別ゲスト)
ー仲入りー
一、赤穂義士外伝より 「荒川十太夫」
  神田松鯉

 

97年ぶりの歌舞伎座での講談公演、人間国宝の神田松鯉の傘寿(丁度この日が誕生日)を祝いつつ、松鯉が復活させた赤穂義士伝の外伝、荒川十太夫を10月に新作として歌舞伎座で上演される(松緑が主演)こととも連動したもの。松鯉の弟子、伯山が色々と動いて実現したものとのこと。松竹ゴールド会員の発売日15分ほどで速攻完売。小生は会社で午後休暇を取得して昼の部へ行きました。

 

開口一番、松鯉の弟子の鯉花、緊張しただろうな。演目は所謂前座ネタではなく、ドロドロした将軍饗応(栁沢吉保が出世のため、将軍綱吉にわざと自分の妻や娘を差し出す話)、ちょっとびっくりしましたが、ベタな前座ネタより良かったかもしれません。そして大人気の伯山、花道からの登場、若干ぎこちないのが可笑しかったですが、客いじりもいれながらのマクラで会場を盛り上げます。ネタは有名な堀部安兵衛の安兵衛駆け付けと婿入り。ババアババアと叫ぶ安兵衛が目立つ駆け付けと、その後の堀部家への婿入り、流石の畳み掛け、笑いもたっぷりで大盛り上がりでした。

 

その後は鼎談、お茶目な松鯉を盛り立てつつ、松緑・伯山の話しでこちらも盛り上がりました。惻隠の情、講談について松鯉が話すときに良く使う言葉ですが、荒川十太夫にそれが集約されている、との話、実際に荒川十太夫を聞いて納得しました。

 

休憩後にいよいよ松鯉の荒川十太夫、これが素晴らしいかった。花道からの登場、なぜか松鯉が頭の上で〇のポーズ、なぜ?と思いつつ、温かい笑いに歌舞伎座が包まれました。講談はばたばたせず、調子を整えながら段々と光景が目に浮かんでくる。なぜ堀部安兵衛切腹の解釈を見事につとめた十太夫があのような行動をとったのか、誰も悪い人が出てこないこの噺、松鯉の見事な調子で歌舞伎座が大いに沸きました。大成功となった歌舞伎座での講談会でした、では。