フォーレ四重奏団
エリカ・ゲルトゼッツァー(ヴァイオリン)
サーシャ・フレンブリング(ヴィオラ)
コンスタンティン・ハイドリッヒ(チェロ)
ディルク・モメルツ(ピアノ)

 

ドヴォルジャーク:ピアノ四重奏曲第2番 変ホ長調 Op.87
ムソルグスキー(グルズマン&モメルツ編):展覧会の絵

フォーレ(D.ツェルナー編)/3つの歌~夢のあとに Op.7-1
フォーレ(D.ツェルナー編)/5つのヴェネチアの歌~マンドリン Op.58-1
ラフマニノフ(レスピーギ/モメルツ編)/音の絵~海とかもめ Op39-2

 

フォーレ四重奏団、昨年は中止となり一番残念な思いをしたコンサートでしたが、今年リベンジ。但し、最も好みの9日のフォーレとブラームスのプロは同日に飯守・シティフィルのシューマンチクルス第1弾(1番、2番)と重なり泣く泣く断念。しかし、パシフィックマネジメント主催の7日のコンサートがあり、本日参戦した次第。やはりフォーレ四重奏団、現在室内楽ではエベーヌと並んでコンサートあれば、絶対に行きたいと思うアンサンブル、今日も20年を超えるパートナーシップの成果が如実に表れ、全くマンネリ感もなく、楽器間のバランスと呼吸感が全くもって素晴らしいものとなりました。2021年では飯守・シティフィルのチャイ5、ムーティ・東京春祭のマクベスと並んで現時点でベスト3となりました。

 

前半のドヴォルザークのピアノ四重奏曲の第2番、全然聞いたことがありませんでしたが、予習でメネスラーとエマーソンの録音を聴いたのが正解、曲自体はメジャーになりきれない、隠れた名曲というものですが、第2楽章、第4楽章の旋律と哀愁は極めて魅力的、但し、そのような曲だけに実力が不十分なアンサンブルだと長く感じてしまう曲だと思います。それにしても楽器管のバランスがこれだけ均整が芸術的に整ったものは滅多に聞けるものではありません。一寸した会話のような楽器間の旋律の受け渡しやリズムの遊びが愉悦この上なし。

 

後半は過去も採り上げている展覧会の絵、全曲の通し演奏は初めてです。アンコールで過去キエフの大門など聴いていましたが、この編曲の魅力は前半から中盤、多様なパレットの上で見事に展開された爽快で面白い演奏です。最後は以前のアンコールでも感じたように、若干繰り返しがしつこく感じられましたが、これはピアノでも同じこと。常設のピアノ四重奏団としてはレパートリーが決して多くはないので、この曲のようなものはアクセントとしても意義があるものだと思いました。

 

真に熱のある賞賛の拍手に応えてアンコールは3曲、9日にも採り上げるフォーレの有名佳曲が2曲、そしてラフマニノフ。フォーレの2曲が沁みました。9日の公演は聴けないですが、フォーレのピアノ四重奏曲2番は以前生で聴きましたが大変素晴らしいものでした。週末の2019年の彼らの同局録音を聴こうと思います、では。