「夏泥」柳家小八 

「箱の中」三遊亭粋歌 改め 弁財亭和泉

  お仲入り  

口上 小三治 歌る多 三三 小八 和泉 

「松山鏡」三遊亭歌る多 

〜かっぽれ〜

 「錦の袈裟」柳家小三治

 

小三治の独演会かと思っていたのですが、夏の会のトリということで、弟子の小八の連れ添いである三遊亭粋歌改め弁財亭和泉の真打・襲名披露も兼ねた公演でした。噺家同志の夫婦はもって2年と言われるそうですが、仲睦まじい夫婦の様子でした。最初はなぜ小三治がと思っていたのですが、小八の関係かと得心した次第。但し、前座の頃から目をかけていたそうで、自分の言葉で会話も落語もできる人として心の中でえこ贔屓していたそうです。

 

最初は何も言わず、小八が出て来てスッとネタに入りました。過剰な演出がない良い噺家ですね、初めて聞きましたが、7月池袋でトリもとった実力者だそうです。爆笑ものも好きですが、噺を楽しむのはこういう風情の噺家が良いですね。そして和泉の登場。この人は新作の人とのことで、調べるとあちこちで出演している人気者のようです。明るく口跡も良いですが、一寸だけうるさいかな(笑)。ネタは結構面白かったです。

 

仲入り後は口上、小三治が口上に登るのは久しぶりに見ました。司会は三三。小八の朴訥とした挨拶の後、小三治。まくらのような感じで話していきますが、和泉との昔話や師匠の歌る多をほめながら笑いを誘います。そして和泉の師匠の歌る多、末廣亭のHPの動画で案内役をしていますね。最後は小三治で三々七拍子で〆。

 

次は歌る多、実は圓歌の襲名披露の時にも聴いた松山鏡、十八番なんでしょうね。完全に出来上がったネタで、短く鉄板。そして踊りが上手いとのことでかっぽれを披露しました。大昔吉朝が軽いネタの後で良く踊っていたのを想い出しました。そして小三治。まくらでは今日はエーデルワイスのお菓子が出て、エーデルワイスのミュージカル・サウンドオブミュージックの話になり、周囲が全然知らないことに怒り、重ねて三三がスマホで意味を調べて、エーデルワイスの花の種類を説明したところ、これだからダメなんだとボヤキ節(笑)。そこから突然に錦の袈裟へ。81歳になって言葉も縺れますが、与太の口調が大袈裟でなく良いですね、他の話でもそこで怒る江戸っ子チャキチャキの口調がこれぞ小三治、そうそう長短にような感じでしょうか。短く良く出来た面白い話でした。次の小三治は特別のことがなければ、恒例の12月の池袋の独演会にしようと思っています、では。