ブラームス交響曲4番

 

1. カルロ・マリア・ジュリーニ ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 DG

 3番でも一押しであったが、4番もこの名盤を推薦したい。音に魂が感じられ、

 尋常ではない内燃性がある音楽。晩年のジュリーニのテンポがここまで嵌る例も

 他にないのではないか。第4楽章後半の充実度は他の追随を許さないもの。

 

2. レオポルド・ストコフスキー ニューフィルハーモニア管 IMP

  最晩年のライブ録音で、このコンサートの冒頭はクレンペラーのワルツが演奏された。

 4番はブラームスのシンフォニーでは一番構成を作るのが難しく、勢いや気合だけでは

 どうにもならない曲であるが、このストコの演奏は恣意的でありながら、ここまで人の

 気持ちを昂らせる4番の演奏は他にないのではないか。

 

3. サヴァリッシュ・ロンドンフィル(EMI)

 バランスではこの演奏が一番押し。サヴァリッシュのブラームスでは、ハイドン変奏曲と

 ピアノ協奏曲1番(コワセヴィッチのピアノ)が充実の名演。体力が落ちる前のサヴァリッシュ

 がEMIで録音を多く残していた時期の録音。第1楽章が楽譜が見えるようでありながら、

 オケが渾身で演奏している情熱も伝わる名演。

 

次点は、スクロヴァチェフスキ・読売日響(デンオン)、クレンペラー・フィルハーモニア管(EMI)

ザンデルリンク・ドレスデンシュターツカペレ(デンオン)、アンセルメ・スイスロマンド管(デッカ)

フルトヴェングラー・ベルリンフィル(EMI、48年盤)、ブロムシュテット・ライプチィヒ・ゲヴァントハウス管(デッカ)、ショルティ・シカゴ響(デッカ)、プレヴィン・ロイヤルフィル(テラーク)、N響(キング)と結構多数。

 

バレンボイムはベルリンシュターツカペレとの録音がないのが残念(シカゴ響盤はカラカラの音で全くダメ)。