東京オペラシティシリーズ 第86回
Tokyo Opera City Series No.86
東京オペラシティコンサートホール
2015年05月23日(土)14:00
ルトスワフスキ:交響曲 第4番
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
スメタナ:交響詩「我が祖国」より
ヴィシェフラド(高い城) ヴルタヴァ(モルダウ) シャールカ
クシシュトフ・ウルバンスキ
タチアナ・ヴァシリエヴァ(チェロ)
東京交響楽団
昨年はウルバンスキが手術、ヴァシリエヴァは出産で中止(代役で別プログラムへ)となった
コンサートですが、ルトスワフスキの交響曲を加えて復活しました。
ルトスワフスキの交響曲4は1980年代にロスフィルの委嘱により
作曲されたもので、前衛的なものではなく、瞑想と爆発が混合した曲でした。
サロネンも採り上げていましたっけ?
ポーランド出身者としては愛着もあるのでしょうね。
ドヴォルザークのチェロ協奏曲、ヴァシリエヴァは決して太い音ではありませんが、
艶のある音で意志というか、想いが込められた演奏でした。
ヌヴゥーの第2楽章のクラリネットも良いですね。
ウルバンスキは暗譜での指揮ですが、丁寧ですが、
いつもながら表情はアッサリ、以前の合わせ物でもそうだったかな。
アンコールはバッハの無伴奏1番から有名なプレリュード。
なんと流れのある艶やかな演奏、そしてさわやか。
休憩後はスメタナのわが祖国から前半3曲。
この採り上げ方は大賛成です。
昔は第2曲モルダウと第4曲ボヘミアを組み合わせたり、
第1曲高い城と第2曲モルダウだったりですが、
どうも欲求不満が残るというか、
まあ、単に高い城とシャールカが好きなだけなんですけど(笑)。
それにしても面白いというか不思議な演奏でした。
高い城の律然としたハープが素晴らしい。
この冒頭で感動するんです。
ウルバンスキはサクサク進めます。
演出過剰は×ですが、もう少しだけタメがあった方が・・・・。
モルダウはポルカの部分のリズムや音量調整が面白い!
ここは流す指揮者が多いところこれ位考えて演奏してくれると嬉しい。
終結部はやはりアッサリでした(笑)。
そしてシャールカ、これが総合的に素晴らしい演奏でした。
スピード感、クラリネットのソロ、
この女盗賊の俗なところや、情念みたいなもの
そして純音楽が見事なバランスでした。
会場の反応も上々。
最後のシャールカがなかったら、色々な???が残ったかもしれませんが、
トータルとしては面白い演奏会でした。
では。